第12話 証拠
唇が重なる瞬間、その場を去るドフン。
ミニョクが寄せた唇を受けることなく、横を向くユジョン。
寂しそうな、でも納得したような表情になるミニョク。
ユジョンが作ったソースを味見し、「レシピ公募展に残っただけはある」と言う。
「なぜそれを?」
「だからこそ、おまえに任せた」
そのときミニョクに電話。
急いで店を出る。
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チェ弁護士からレストランの売却が取締役会で決まったことを聞くミニョク。
レストランを担保に投資を募るには、頼めるとしたら漢南洞(ハンナムドン)の奥様だけだとのこと。
早速、連絡をとる。
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「店の経営権を失えば苦しくなるでしょう」とドフン。
「そうでもないかも。手にしたものを離さないのは耐えられるからよ」とセヨン。
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レストランでバースディイベントが行われている。
とんがり帽子を被り、楽しそうに歌を歌うユジョン。
それを見ているミニョクとグァンス。
グァンスが「お誕生日おめでとうございます」とミニョクに言う。
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ユジョンが作ったソースを持って投資家に会いにいくと言うミニョク。
「俺が協力するのは訳がある。アン・ドフンはこの店を狙ってる。おまえはそれを阻止すればいい」
そこへグァンスが映像を復元できたと知らせに来る。
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保安室に急いで飛び込んでくるドフン。
そこにいたミニョクを見て驚く。
復元された映像を一緒に見ようと言い、雨の中でワイパーを直すドフンの姿が映った映像が流れる。
運転席に乗り込むドフンがはっきりと映っている。
これが何だと言わんばかりに「ユジョンと一緒でした。それが?映像の場所は事故現場ではないから証拠にならない」とドフン。
「証拠にならないのになぜ削除した?」と言うミニョク。
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ドフンが運転していたという事実に怒りが爆発するミニョク。
でも、グァンスはこれだけでは証拠にならないと言う。
「何とかしろ」と怒鳴るミニョク。
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ユジョンを呼び出し、自分が運転してたことをミニョクに言ったのかと問い詰めるドフン。
「そんなことしない」とユジョン。
「君の払った犠牲に苦しんでるのは僕だ」とドフン。
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ミニョクは先輩の検事を訪ねていた。
「検事と被疑者は恋人同士だった?その検事がアン・ドフン?」
再審について尋ねるが、やはり難しい様子。
なおも食い下がるミニョク。
真犯人の証拠があれば再審を頼めるかと言う。
にわかには信じられないといったような半笑いの検事だったが、やがて真剣な表情に変わる。
「真犯人はアン・ドフンなのか?」と。
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ドフンはなおもユジョンを責め立てる。
「ほかに証拠が?あとで使おうと思って隠してたのか?」
「そうね。隠しておけば良かった」
「あの件では僕をぶち込めない」
「そんな卑怯なマネはしない。あなたとは違う。失うものが多くて怖い?今の地位にしがみついていてね。私が引きずり下ろしてやるから」
そこへグァンスが来てユジョンを助けてくれる。
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「誰に会った?」と聞くミニョクに「アン弁護士が訪ねてきました。誤解しないで私は何も……」と答えるユジョン。
「誤解はしない。おまえがそう言うなら」と言う素直なミニョクの言葉に、驚くユジョン。
ミニョクが続ける。
「あの日、おまえが運転してなかったら、もしアン・ドフンが運転してたら、おまえは俺に苦しめられずに済んだ」
「いいえ。もしも運転していなかったとしても、あの方が亡くなったとき、私も事故現場にいたんです。何をやらされても辛くありません。ただ、すべてを忘れて笑って生きそうで、それが恐ろしいです」
そう答えて去るユジョン。
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ユジョンにさっきのバースディソングを歌わせるミニョク。
何度も練習させる。
そんなやりとりをポラ写真に撮るグァンス。
そこへセヨンがやってきてプレゼントを投げつけ「誕生日おめでとう」と言う。
今日が本当に社長の誕生日だと知るユジョン。
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グァンスが撮った写真を嬉しそうに眺めるミニョク。
グァンスはなぜ彼女に聞かなかったのかと言う。
ユジョンに聞くのが一番確かな証拠なのでは?と。
「彼女に聞いても答えない。一番確かなのは、アン・ドフンの口から聞くことだ」と言うミニョク。
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もし漢南洞の奥様が投資を決めたら、取締役会は売却を断念するしかない。
「ドフンさんの手腕に期待しているわ」と言うセヨン。
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ユジョンを連れて奥様の家を訪れるミニョク。
すでにドフンがいて驚く2人。
「レストランには投資する価値があるか。ただ頼まれただけでは投資できない」と言う奥様に、
ユジョンは台所を借りて料理を用意する。
数種類のソース。
味見を勧めながら「私の父はパン店を営んでいました。父は偏食の私のために野菜パンを考案し、私の好きなソースで野菜をあえてくれました。父は亡くなりましたが、あの味はまだ覚えています。レストラン名を聞いただけで、思い浮かべる味が店の財産です」と話すユジョン。
「これはあなたの事業じゃない」と遮るドフン。
毅然とした態度で「うちのソースで顧客の舌をつかむ自信があります」と言うユジョン。
ユジョンの説明を邪魔するドフン。
「君は助言しに来たんだろう」とドフンに釘を刺すミニョク。
「このソースはくせになるわね」と興味を示した奥様。
でも、グループ内の統制が取れていない状況を察し、投資は無理だと言う。
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ドフンに「反則されると気分が悪い」と文句を言うミニョク。
「取締役会の指示です」とドフン。
「俺がはい上がるまで待ってろよ」とミニョク。
「ありがとう。あなたに失望させてくれて」とユジョン。
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車の中で社長に謝るユジョン。
「謝らなくていい。何も決まっていない。人のせいにすればいいだろう。アン・ドフンのせいにすればいい」と言うミニョク。
帰り際、誕生日プレゼントとしてクリームパンをミニョクに渡すユジョン。
「甘いものは嫌いだ」と言うミニョク。
「それじゃあ、お食事でも」と家に誘う。
ちゃっかりユジョンの手からクリームパンも取り上げる。
家ではジャヨンたちが晩ごはんを食べていたが、社長の誕生日だからごちそうしたいと言うユジョンの言葉に、みんなが「お誕生日おめでとう」の歌を歌ってくれる。
嬉しそうなミニョク。
ニューフェイスのグァンスに関心が集まっている隙に、ミニョクはユジョンからもらったパンをおいしそうに食べる。
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ソースを作り、朝イチで奥様に届けるユジョン。
が、残念ながら会ってはもらえなかった。
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ヘジンを見つけたとミニョクに報告するグァンス。
サンの虐待を通報後、ドフンの推薦で職業訓練所に移っていたことが分かる。
ジャヨンが受け取った映像には、ユジョン父を車に乗せるドフンの姿が映っていた。
明らかになるドフンの卑怯な行動の数々。
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ユジョンが奥様に気に入られたことをドフンに話すセヨン。
「私情で投資する人には見えません」と答えるドフン。
「あなたのことは聞かれなかった。私が欲しい?なら、あの女をミニョクから引き離して。やってくれる?」
「そうしたら、僕のところへ?」
「いいえ。結婚はしないと。愛人でも満足する?」
セヨンに強引にキスをしようとして思い止まるドフン。
「私たちってバカみたいね」と寂しく笑うセヨン。
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ヘジンのことをドフンに聞くミニョク。
「あなたには関係ない」と答えるドフン。
「正義を叫ぶ検事が自分の子を施設へ移すとはな」とドフンをちくりちくりと責め続けるミニョク。
「仮釈放はあなたの計画でした」と反論するドフン。
「選んだのは君だろう」と答えるミニョクに、声を荒らげるドフン。
そして、仮釈放は審査結果が出る前に騒ぎを起こして取り消されたと言う。
つまり、自分が「不可」にしたから仮釈放にならなかったわけではないと言いたいらしい。
「自分のやったことが表に出ないようにそんなマネを?」とミニョク。
「卑怯なヤツだ。彼女がかわいそうだ」
「偉そうに。恋人を守れなかったのは私もあなたも同じだ」
「そうだ、その調子だ。それでこそ君の秘密を暴く楽しみがある」と言うミニョクに、ユジョンの資料を破り捨てるドフン。
去って行くドフンの後ろ姿に「彼女の父親のことはゆっくり考えよう」と声をかけるミニョク。
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レストランのケータリングを頼み、ミニョクの誕生日パーティを開くセヨン。
わざとユジョンに給仕をさせる。
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チェ弁護士から会長が回復期に入ったことを聞かされるミニョク。
ベルリンでフォーラムに出席してから帰国するとのこと。
投資のことを褒めてくれる。
え?投資してもらえることになったの?奥様がOKしたの???
従業員のことを聞かれたが、それがミニョクの気になってる女なのかと尋ねるチェ弁護士。
関係ないと言うミニョクに、「だが、セヨンさんとの縁談が壊れたら、どうなるか分かるだろ」と忠告する。
ドフンの資料をくれない理由を聞くミニョク。
「おまえの尻ぬぐいもしたし、取締役会の件以外はグループに必要だ。まだ使い道がある」と答えるチェ弁護士。
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パーティに参加したミニョクは、ユジョンが給仕をしていて驚く。
「何のマネだ」
「言ったでしょ。誕生日と投資を受けたお祝い。そして、結婚の前祝い。友達の前よ。恥をかかせないで」とセヨン。
ユジョンがコーヒーを煎れていると、ミニョクが現れ、「ごめん。お疲れ。朝からおまえが届けた真心に奥様が心を動かした」と言う。
「本当ですか?」と大喜びのユジョン。
「良かった」と言いながら、思わずミニョクの手を握る。
そこへセヨン登場。
「何してるの?」
慌てて手を離すユジョン。
コーヒーを催促され、慌てたユジョンはコーヒーポットを落として割ってしまう。
片づけようとするユジョンを止めて、ミニョクが片づけ始める。
その様子を見つめるセヨン。
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「友達が帰ったから4人で飲みましょう」と言うセヨン。
そこへドフン登場。
デザートを運んでくるユジョン。
「ユジョンさんは昔付き合ってた男とあなたを苦しめる男、どっちが気まずい?」と聞くセヨン。
「答えるな」とミニョク。
「僕には何の感情もないかと。もう謝らないでと別れた日に言われました」とドフン。
「どうしたの。言いたいことでも?」と言うセヨンに、
「お二人は危うい」、ミニョクを見て「お二人はお似合いです」と答え、部屋を出るユジョン。
セヨンとドフンは危うい、セヨンとミニョクはお似合いだという意味ですね。
セヨンはミニョクにこのプレゼントが気に入ったかと尋ねる。
「楽しいか?」とあざ笑うミニョク。
「こういうことを仕組むのはあなたの趣味では?私のプレゼントはもうすぐお伝えします」と言うドフン。
ミニョクは「知ってるか。強がってるヤツほど弱い。今の君は危なっかしい」とドフンに言う。
「祝ってくれてありがとう」とセヨンに言い、部屋を出る。
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バス停にいるユジョンにミニョクが車に乗るように言う。
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「あの女を見るミニョクの目。あれは愛ね」
そう言ってワイングラスを投げつけるセヨン。
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家に着き、車を降りようとするユジョンにミニョクがキスをする。
逃げようとするユジョンを強引に抑えつけて唇を奪う。
逃げても逃げても抑えつける。
ようやくミニョクを押しのけたユジョン。
ミニョクはひざまずき、優しく見つめ、もう一度キスをする。
もうユジョンも逃げない。
涙を流し、目を閉じる。
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最後のシーンには号泣でした。
何だろう、あの切なさは。
ミニョクの切なさ、ユジョンの切なさ。
2人の思いが伝わるキスシーンに私の涙腺が崩壊しました(TωT)
私のつたない文章力ではこのシーンがどれほど胸をふるわせるものなのか伝わりにくいと思います。
あしからず。
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