第70話
王様の部屋から出てきたチンム公は、
「あの者は私の父ではありません。私の父は偉大なる東城王です」と言う。
チンム公の胸ぐらをつかみ、「口を慎まれよ」と言うミョンノン。
それをふりほどき、あくまでも認めないチンム公。
ソルランはチンム公が自分と血を分けた兄なのだと知る。
>>>
散らばったチンム公の絵を拾うミョンノン。
ミョンノンの目から流れる涙を見て、胸を痛める王様。
「太子の座を返上させてください。ミョンノンの名もチンム公へお返しを」と頭を下げるミョンノン。
>>>
将徳にミョンノンが王様の子でないことを話すソルラン。
「太子様とは兄妹でないから、私はお慕いしてもいいですよね?」と言う。
ソルランは、王様も太子様も苦しんでいるのに、喜んでいる自分を責め涙を流す。
>>>
ヨン達率がへ佐平にこれが事実なのかと確認に来る。
へ佐平はまだ知らない。
ホン内官はヨン達率にそっと「黙っていてください。そうすれば、先代王のご子息は無事王位に」と言う。
今まで武寧王が東城王を殺したのだと信じ、太子の邪魔ばかりしてきたヨン達率は、王様が東城王の息子のために、我が子を追い出したという事実を知り、動揺を隠せない。
2人の会話を聞き、驚くへ佐平。
>>>
王宮を出る準備を進めているミョンノンは、ソルランを連れて市場に必要なものを買いに行く。
兄ではないと分かり、もう気持ちを隠す必要がないソルランの表情は明るい。
ミョンノンに腕を絡め、ミョンノンも「この手をもう二度と離すな」と言う。
もう離すまいと思うソルラン。
でも、その一方で、民の暮らしに目が行き、心配ばかりしているミョンノンに王宮の外で暮らすのは無理だろうとも感じていた。
>>>
ここ数日チンム公の姿が見えないことを報告するミョンノン。
自分が探しに行くと言う。
その言葉を遮り、東城王の肖像画を見るように言う武寧王。
東城王の偉大さをミョンノンに語る。
そして、肖像画に呼びかける。
「東城王。あなたの息子です。あなたに似てとても立派な太子となりました。ようやく太子があなたにご挨拶差し上げます」
長い間、この日を待っていたと言う王様。
王様は続ける。
「しかし、東城王。今日が最後です。今生で太子は私の息子です。私には息子が2人います。ですが、百済の太子はただ1人だけです」
つまり、王様はあくまでもミョンノンを太子にするつもりだということ。
>>>
ソルランは思う。
もし王様に自分が娘であることを告げたら、王様はとても喜んでくださるだろう。
でも、そうなれば、ミョンノンとは兄と妹として生きていかなくてはいけない。
それぞれ別の妻や夫を迎えるのを見ることになる。
それは嫌。
もし、2人で王宮を去るとする。
ソルランがそうしたいと言ったら、太子様は拒まないだろう。
最初はきっと幸せに暮らせる。
でも、やがてミョンノンは後悔するはず。
ミョンノンは王様になるために生まれてきた人。
百済の悲願が叶わず、自分を恨めしく思う日が来るかと思うとそれも辛い。
ソルランはミョンノンとの未来を絶望し、号泣する。
>>>
プヨンはチンム公が行方不明だと知る。
そして、それをソルランの仕業だと誤解する。
ソルランは、戦が終わったので近くプヨンが死罪になるという噂が出ていることを知る。
妹にキムンへ一緒に帰ろうと誘うソルラン。
同意するプヨン。
涙を流して喜ぶソルラン。
でも、腹の中ではソルランに薬を飲ませようと企んでいるプヨンだった。
>>>
テウンが、クチョンを治療した医者を見つけたと将徳に報告。
クチョンが何者なのか彼はまだ知らない。
>>>
チンム公は1人旅に出て、気持ちを整理していた。
>>>
ヨン達率はソルランに太子様と会わせてほしいと頼む。
ひざまずき謝罪するヨン達率。
そして、王様にすべての罪を申し上げ、どんな罰でも受けると言う。
高句麗の刺客を捕らえるため敵と通じたこと、キムンでの妨害、太子様を戦場で殺そうとしたこと・・・。
>>>
ソルランは高句麗の刺客のことをヨン達率に訪ねる。
誰から聞いたのかと。
口ごもるヨン達率。
プヨンの仕業ではないと信じたいソルランだが、その願いは儚く消え去った。
>>>
最後に喜楽殿に行きたいと言うプヨンを連れて行くソルラン。
プヨンは、王様の誕生日に贈るつもりで埋めておいたたけのこ酒を一緒に飲もうと言う。
酒に薬を忍ばせたプヨンは何食わぬ顔で、ソルランに勧める。
が、飲む直前に気づいたソルラン。
「毒を盛ったの?」と聞く。
そして、父の話をする。
プヨンは父が生きていると思っている。
かつてソルヒをかばって死んだと思っていたが、実は生きていた。
そう、生きていたのだ。
だけど、死んだ。
なぜなら、プヨンがチンム公に高句麗の刺客を捕らえるように言ったから。
父さんがその刺客だったの。
父さんは王様が母さんを殺したと誤解した。
だから、刺客になり王様を狙ったけど、あんたを見て諦めた。
体中傷だらけで瀕死の重傷を負いながらも、なんとか生き延びた父を、
あんたが死なせたのだと絶叫するソルラン。
「そんなことあるはずない」とパニックになるプヨン。
ソルランは黙っているつもりだったと話す。
プヨンも知らずにやったことだから。
でも、またしてもソルランを騙し、殺そうとした。
いつまでこんなことを続けるのかと、感情を爆発させて叫ぶソルラン。
>>>
プヨンはソルランの言葉を信じたくない。
自分が大好きな父を殺してしまったなんて。
認められるはずがない。
自分の都合のいいように現実をすり替え、本当にそれが現実だと思い込もうとする。
が、苦しさから逃れることはできなかった。
追い詰められたプヨンは、自分がソルランに飲ませようとした薬を飲み干す。
>>>
医者に聞いて描いた娘の人相書きをへ佐平に渡すテウン。
その絵を見て驚愕するへ佐平。
そこに描かれていたのは紛れもなくソルランだった。
その絵を王様に渡すへ佐平。
王様はにわかに信じられない。
余が実の娘を目の前にして気づかないなんて。
やがて、ソルランが自分の年齢や出身地について語った日のことを思い出す。
はっとなる王様。
>>>
ソルランは気づいてほしくてあの言葉を自分に言ったのだと理解したんでしょうね。
なのに、気づいてやれなかった。
苦悩する王様が想像できます。
ミョンノンと離れたことの意味も王様は察するはず。
それはそうとソルヒ。
死んじゃったわけじゃないですよね?(TωT)
以前サドを使ってソルランに飲ませようとした記憶を失う薬かなと思うんですけど、どうですか?
熱が出て、咳が出て、そして幼いころ以外の記憶をすべて失うって言ってましたよね。
あれだったら、それはそれでソルヒには幸せな選択だったのかもしれませんね。
>>>
ランキングに参加しました。
ポチっと応援よろしくお願いいたします<(_ _)>