「愛の不時着」や「梨泰院クラス」で、
韓国ドラマにドハマリした方々の多くが、
次なる作品として選んだのがこの「サイコだけど大丈夫」。
長らくNetflixで視聴率ランキング1位をキープしてました。
キム・スヒョンくんのドラマなんで、
まあ、ハズレはないだろうと思ってはいましたよ。
でもね。
想像以上に面白かったです。
いや、ほんとのこと言うと、
第1話で挫折しかけたんですよ。
どうもこのドラマの世界観に入り込めなくて。
ソ・イェジさん扮するコ・ムニョンという童話作家が、
あまりにも猟奇的で、
意地悪だしわがままだし。
血が出るようなグロいシーンは多いし、
残念ながら、
私の好みじゃないなと。
視聴率ランキングが1位じゃなかったら、
恐らくこのまま観るのをやめたと思うんですが、
投げ出さなくて本当に良かった(笑)
ということで、
今回の「最終回まであらすじ一気読み」は、
「サイコだけど大丈夫」です。
第1話から第15話まではできるだけ簡潔に、
第16話(最終回・最終話)だけは、
しっかり書いてみたいと思ってます。
がっつりネタバレしているので、
この先を読むか読まないかはあなた次第ということで、
よろしく。
第1話
・ムン・ガンテは精神病棟の保護士。自閉症の兄サンテと2人で暮らしている。自分のことより兄を最優先にして生きてきた。
・コ・ムニョンは児童文学作家。自分のことしか愛せない協調性の欠片もないような人。たとえ子どもが相手でも冷たく乱暴な言葉を平気でぶつける。
・ムニョンはガンテが勤める精神病院で童話の朗読会を開く。ムニョンの大ファンのサンテのために、ガンテはサインをもらってくると約束する。
・ムニョンの父コ・デファンは優秀な建築家だったが、認知症を患い、OK精神病院に長く入院している。病院の看護師ナム・ジュリがムニョンに手術の同意書が必要だと連絡するが、ムニョンはジュリに取りに来いと要求。
・ジュリがムニョンの父にムニョンの話をすると、父は「来たら殺される」と怯える。
・ムニョンが朗読会をしている最中、ある男性患者が娘を連れ出し、心中を図ろうとする。朗読会を中断されたムニョンは腹を立て、しかも娘を道連れにしようとする男性患者にクズだと暴言を吐く。
・患者がムニョンの首を絞める。ムニョンは幼いころ、父に首を絞められた記憶と重なる。
・ガンテがムニョンを助け、患者を捕まえるが、ムニョンは持っていたナイフで患者を刺そうとする。とっさにガンテがナイフを手で受け止め、血しぶきが舞う。ガンテはこの騒動の責任を取らされ病院をクビになる。
・ガンテはこの10年で15回も勤務する病院を転々としていた。それは兄が定期的に蝶が僕を殺しに来ると怖がるからだった。
・ジュリがムニョンのホテルに同意書をもらいに来る。
・ガンテはムニョンのサインをもらい忘れ、似せたサインを書いてごまかしたが、サンテに偽物だと見破られる。サンテは嘘をついたと怒り出し、クローゼットに閉じこもる。
・ムニョンの本の出版社代表イ・サンインは、猟奇的な行動をとったムニョンのことを口止めしたくて、ガンテを呼び出す。
・ガンテが待っていると、ムニョンが現れる。ムニョンは「何が目的で来たの?」と聞き、ガンテは「また会いたいと思って」と答える。「その目を確かめたかった。見覚えがある目つき。人格が壊れた人。良心がない人。目に温かみのない、そんな女」と続ける。ムニョンが「その女、怖かった?」と聞くと、ガンテは「いいえ、好きだった」と答えた。
第2話
・凍った川に落ちた幼いガンテを助けてくれた少女。少女の後ろをついていくガンテ。少女は蝶の羽を引きちぎり、「これでも私が好き?」と聞いた……。
__________
・イ代表はガンテに口止め料を渡そうとするが、ガンテは受け取らず、新刊にムニョンのサインをもらい帰っていった。
・ムニョンはすっかり美しい顔のガンテが気に入り、彼について調べるようイ代表の秘書スンジェに命じる。
・ムニョンは「出版パーティに来てね。一緒に写真を撮って楽しく過ごしましょう。サンテさんを待ってるわ」というメッセージまで書き込んだため、サンテは大喜び。
・チキン店を経営するチョ・ジェスは、ガンテの友人。ジュリがジェスの店に寄り、ガンテのことを聞く。かつてガンテはソンジン市に住んでいて、ジュリはガンテのことが好きだった。
・ジュリがガンテを訪ね、自分が勤めるOK精神病院で保護士を募集していることを教える。母と2人で住む家の2階が空いていることも伝えるが、ガンテは行かないと答える。
・ソンジン市に住んでいたころ、ガンテたちの母が殺された。事件を目撃したサンテは「蝶が母さんを殺した。言ったら殺される」と恐怖に怯える。ガンテは兄と引き離されないよう、2人で遠くの街へ逃げた。
・ムニョンの新作出版記念のサイン会へ行くことが嬉し過ぎて浮かれまくるサンテ。ムニョンに会いたくないガンテは、ジェスに兄の世話を頼みたかったが、連絡が取れず、仕方なくついていく。
・列に並んでいたサンテだったが、ガンテが目を離したわずかな間に、前の方に恐竜の着ぐるみを見つけ、近づいていってしまう。着ぐるみを着ていた子どもは恐竜について猛烈な勢いでしゃべり出したサンテに怯え、その子の父親がサンテの髪の毛につかみかかる。髪の毛を触られるのが大嫌いなサンテはパニックになり、会場は大騒動に。
・ガンテが気づき、事態を収拾しようとしたが、様子を見ていたムニョンがやってきて、父親の髪の毛をつかんだり、母親にバカ女と言ったりし、騒ぎはますます大きくなる。
・さらにムニョンは「童心を知らない反社会性パーソナリティ障害者の児童文学作家」だと攻撃してきた評論家の男をペンで刺そうとした挙げ句、階段から突き落とした。
・ムニョンの心を鎮めようとバタフライ・ハグのポーズをとらせるガンテ。ムニョンは「安全栓になって」と言うが、ガンテは断る。ムニョンは「怖いから逃げるんでしょ。怖がり」とつぶやいた。
・幼いころ、蝶の羽を引きちぎり、「これでも私が好き?」と聞いた少女にガンテは驚き、逃げた。少女が「怖がり」とつぶやいた。
・サンテがソンジン市へ行くことをあっさりと受け入れたので、ガンテはOK精神病院を次の勤務先に決める。
・ムニョンのサイン会での騒動がニュースになり、彼女の異常な行動へのバッシングが起きる。
・ムニョンはスンジェからガンテについての報告を受け、彼が幼いときに会った少年だと気づく。ガンテに会いにOK精神病院を訪れた。
第3話
・ムニョンはガンテに「ムン・ガンテを私にちょうだい」と言うが、相手にされない。
・OK精神病院の院長はムニョンの父をムニョンに散歩させるため、グループ治療プログラムの文芸クラスの講師を彼女に依頼する。ムニョンは患者たちに「童話は夢を与える話ではなく、現実を教える覚醒剤です」と辛辣な話を聞かせる。
・ムニョンも幼いころソンジン市に住んでいて、ジュリとも面識があったが、2人は知らないふりをすることに。
・ムニョンはかつて住んでいた森の奥深くにあるお城のような家に戻る。建築家だった父が小説家だったムニョンの母のために建てた家だったが、母の死後は住む者もなく、幽霊屋敷同然になっている。
・イ代表はムニョンが起こした騒動に頭を抱えていたが、ムニョンは認知症の父の介護のために雲隠れしているという情報を流そうと指示する。
・国会議員の息子がOK病院に入院してきた。彼は躁病で、裸を人に見せたがる。
・ガンテたちが引っ越すたびに、ついてきてくれるジェスが、ソンジン市でピザ屋を始める。サンテがガンテに内緒で客の似顔絵を描き、賃金をもらう。
・ムニョンが授業の感想をガンテに聞く。ガンテはつきまとうムニョンを相手にせず行こうとすると、ムニョンはみんなの前で「私と寝る?」と大声を出す。
・ガンテがムニョンに怒ると、ムニョンは「本当は遊びたいくせに。偽善者」と言う。
・病院でムニョンを見かけたムニョンの父が興奮し、苦しがる。
・サンテが病院に来る。トラウマ治療の第一人者である院長はサンテの好きな恐竜の話で興味を引き、あっという間に仲良くなる。絵を描くのが得意なサンテに病院の壁に絵を描いてほしいと頼むと、サンテは稼げるならやると答え、院長は完成した絵を見てから幾ら出すか決めると答える。
・サンテがガンテに内緒でお金を貯めていたのは、キャンピングカーを買うためだった。蝶が来ても引越しなくていいように。ガンテはそれを知り、泣きながら兄を抱きしめ、「家も車もいらない。兄さんさえいればいい」と言うが、そう言いながらも、ムニョンに言われた「偽善者」という言葉が頭に浮かぶ。
・議員の息子が病院を脱走。居合わせたムニョンが彼を車に乗せ、ガンテがそれを追う。息子は父の演説会場へ行き、父には投票するなと叫び、大騒ぎ。ただ、自分の気持ちを大声で叫び、自由に走り回る彼はとても楽しそうで、ガンテも「僕も君と遊ぼうかな」とムニョンにつぶやいた。
第4話
・国会議員の息子は、母にビンタされる。泣いて息子を叱る母だったが、息子は関心を持たれたことが嬉しい、愛情を感じるとガンテたちに言った。
・幼いころ、ガンテの母はサンテをとても大事にし、ガンテにはサンテを守る役目を与え、そのためにあなたを産んだと言った。
・ムニョンの新刊「ゾンビの子」が販売停止になり、イ代表は頭を抱える。
・ムニョンは父を散歩させるために講師として雇われたのに、約束を守らない。ガンテがそれをたしなめると、父は生きてるけど魂は死んだ、散歩するだけ無駄だと答える。その後、ガンテの親の死因について触れ、人も物と同じだと軽んじたため、ガンテは腹を立てる。ガンテは「君がほかの人と違うことを忘れてた。もう期待しない」と言い、行ってしまった。ガンテの後ろ姿に向かい、ムニョンは「愛してる」と大声でまくしたてる。
・サンテは新しい学校が楽しくない。病院の絵を描くことにしたとガンテに宣言する。
・早く次回作を書かせたいイ代表がムニョンをソウルへ連れ戻しに来る。
・ムニョンの母はムニョンを「あなたはほかの子とは違う。私の最高傑作よ」と言いながら、この城に閉じ込めて育てた。
・イ代表がジェスの店でジュリと会い、一目惚れする。
・国会議員が息子の騒動の件で怒鳴り込んできた。議員は役に立たない息子は必要ないと言い、今後も病院に監禁させ続けるつもりだと言う。ガンテは「子どもは親の役に立たないとダメですか?」と反論し、「それなら、産むな」と言うと、議員は激怒しガンテを殴る。対応を心配する看護師長に院長は、ガンテを殴る映像を録画したので、これで脅すと答える。
・ガンテに怒られたムニョンは父を散歩させるため病院へ。壁に絵を描いていたサンテは大好きなムニョンに会えて大喜び。
・ムニョンがガンテを呼び出すが、ガンテは「中身は空で、うるさく響く空き缶みたいだ。君には僕が一生分からない」と冷たく突き放す。
・ムニョンが父の車椅子を押し、散歩しようとすると、父は「なぜおまえが今も生きてるんだ。死ね。怪物め」と言い、ムニョンの首を絞める。
・とぼとぼと海沿いの道を歩いているムニョンをバスの中でガンテが見かける。帰宅後、ガンテはムニョンにひどいことを言ったことが頭から離れない。「ゾンビの子」を読み、ガンテは主人公に幼いころの自分を重ね、涙が止まらなくなった。
・訪ねてきたジェスからムニョンが父に首を絞められたことを聞き、ガンテはジェスのバイクでムニョンのもとへと向かう。雨の中、裸足で歩いていたムニョンを見つけ、駆け寄ると、ムニョンは嬉しそうに微笑み、ガンテにもたれかかった。ガンテはムニョンを抱きしめた。
第5話
・びしょ濡れのムニョンを休ませるため、ガンテはモーテルへ行くが、2人とも財布を持っていなかったので、仕方なくガンテの家へ泊めることに。
・兄には水道管が破裂したとウソをつく。
・ジュリがムニョンの父がなぜムニョンの首を絞めたのかと看護師長に聞く。ムニョンとジュリの関係があまり良くないことを感じていた看護師長は、プロならば自分の感情を患者に向けてはいけないと諭す。
・ガンテは兄についてムニョンに語る。サンテは人の感情を読み取ることができないので、表情を観察し、感情を察するのだと。部屋には「表情カード」がたくさん貼ってある。ガンテは兄を安心させるため、辛いときでも常に笑顔を作ってきた。
・ムニョンが自分に目つきが似てる女について聞くと、ガンテは助けてもらったのに逃げた、僕は卑怯者だと答える。
・翌朝、夜勤から帰宅したジュリがムニョンを見つけ、驚く。ムニョンはガンテに告白もしたし、私のものだと言い、ジュリとつかみ合いのケンカになる。「コ・ムニョン」とガンテが怒鳴り、その騒動でサンテとジェスが駆けつけ、水道管が破裂したとウソをついてムニョンを泊めたことを知る。
・自分のことだけ怒ったことが不満なムニョン。自分には目もくれず、ムニョンの名前だけ呼んだことが悲しいジュリ。
・ムニョンの騒動のせいで、イ代表の会社が倒産の危機に陥る。イ代表はスンジェと共にムニョンのもとを訪れ、サポートさせてくれとすがる。
・Ok精神病院の患者カン・ウンジャがガンテに自分の娘を紹介したいと言う。
・患者とのトラブルで落ち込み、屋上へ来たジュリがガンテに会う。ジュリの気持ちに気づいていたガンテは「僕なんかを好きにならないで」と言う。ジュリは「負担に感じて逃げたりしないで」と寂しく笑った。
・病院の壁に絵を描こうとしていたサンテをムニョンが連れ出し、家に連れてくる。一緒に住むことと挿絵画家となることを記した契約書にサインをさせる。キャンピングカーを買うことも記されていた。
・ムニョンが兄を連れ出したことを知り、ガンテが迎えに行くとムニョンに連絡。どこにいるか聞くと「呪われた城」と答えたムニョンに、ガンテはそこを知ってると答える。ムニョンはガンテ自身もかつて会ったあの少女が自分だと気づいていたことを知る。
・幼いムニョンは母に「あなたは特別だから外の人たちとは交われない」と言われ、城に閉じ込められていた。王子様に連れ出してもらえる日を毎日祈り続け、ある日、王子様がやってきた。それはガンテ。が、ムニョンはガンテが持ってきた花束を踏みつけてしまう。
・あの日と同じようにガンテが再び城にやってきた。
第6話
・ムニョンがいつから気づいていたのかと聞くと、ガンテは初めて君の目を見たときからだと答えた。ガンテはかつて凍った川に落ちたところを助けてもらったことにお礼を言う。そして、好きだったのに逃げたことを謝罪した。
・「あなたは私のもの。一緒に暮らそう」と言うムニョンに、兄さんだけで手一杯だと断るガンテ。
・サンテは大好きなムニョンと暮らせることと、ムニョンの絵本の挿絵画家になれることに大喜びだったが、ガンテがそんなサンテを怒り、契約書を破ると、サンテも激昂。ガンテに飛びかかり、叩きながら「ムン・サンテは僕のものだ。おまえのものじゃない」と叫んだ。
・ムニョンはガンテに「あなたも兄を捨てるのか、兄に縛られて生きるのか。決めたら今度は逃げないで」と言う。
・ガンテは子どものころ、道場で昇進したことを褒めてほしくて走って帰ると、母は褒めてくれるどころか、サンテを1人にしたと言いガンテを叱った。兄は誰かに殴られてケガをしていた。「僕は兄ちゃんを守る人じゃない。僕は兄ちゃんのものじゃない。ムン・ガンテは僕のものなんだ。兄ちゃんなんて死んでしまえばいい」と叫んだ。
・家を飛び出したガンテを追いかけてきたサンテ。2人はすぐに仲直りし、凍った川で遊び始めたが、氷が割れ、サンテが落ちてしまった。一瞬、兄を見殺しにしてその場から立ち去ろうとしたガンテだったが、すぐに引き返し、兄を助けた。が、兄は代わりに落ちたガンテを助けることなく行ってしまい、ムニョンが助けてくれたのだ。
・帰宅したガンテはジュリの母にサンテのことを話す。ジュリの母はサンテの絵の才能を発掘してくれた人に感謝し、サンテが1人で生きていけるようにしてあげなさいとガンテの背中を押した。ガンテはその言葉にムニョンの家での同居を決意する。
・ジュリの母はそれがムニョンのことだったと知り、ガンテを娘の恋敵の家へ行かせてしまったことを後悔する。
・サンテはムニョンの家でガンテと共に暮らせることが嬉しくてたまらない。
・サンテは家の中で人影を見たような気がして、地下室へ行こうとするが、ムニョンに止められ、「青ひげ」の話をされる。行ってはいけないと言われた地下室に行くと、女性の死体が壁に掛けられていたという話で脅されるサンテ。
・3人で病院へ。サンテが壁画を描いていると、院長が「蝶がいない。そのうち描くんだろうね」と話しかけてきた。サンテは「蝶は絶対に描かない」と答える。
・ガンテに自分の娘を紹介したいと言っていたウンジャが、ムニョンを自分の娘だと思い、「母さんよ」と声をかける。「本当に母さんなの?」と驚くムニョン。ガンテがそのやりとりを見つけ、ウンジャを連れ出す。
・ウンジャの娘は事故で亡くなったのだが、彼女はまだ生きていると思っていた。
・ウンジャはまたムニョンにつきまとうが、ムニョンは「私の母さんは死んだの」と言い、割れた頭から血が噴き出していたと生々しい光景を口にすると、ウンジャは「違うわ、死んでない」と否定。ムニョンが「どうか夢から覚めて」と言うと、気を失い、倒れてしまった。ムニョンはそのまま立ち去った。
・ムニョンは家に戻り、自室に引きこもる。ムニョンは自分をこの家に閉じ込めていた母が怖くて、今もまだ母の呪縛から抜け出せず苦しんでいた。かつてガンテがこの城に来たときに、ガンテがくれた花束を踏みつけたのは、母に「助けに来た王子は殺す」と言われたからだった。
・ムニョンはそれを思い出し、ガンテに「早く逃げて」と泣き叫ぶ。ガンテは「大丈夫。ここにいるよ」とムニョンを優しく抱きしめた。
第7話
・熱のあるムニョンをガンテは一晩中看病する。
・病院では監視カメラの映像から、ウンジャが倒れる前にムニョンと話をしていたことが分かり、とりあえずムニョンの童話クラスを休止することに決まる。
・サンテはムニョンの絵本の中でも「春の日の犬」という作品が特に好きだった。体が苦しいと涙が出るけれど、心が苦しいと、寝るときになると、人知れずくーんくーんと泣いてしまうのだと内容をガンテに教える。ガンテは悪夢を見て泣いていたムニョンと重ねる。
・ムニョンの母はムニョンの髪の毛をとかしながら、いつも「私に似てロングが似合う。切らないでね」と言っていた。その呪縛から逃げたくて、髪を切りたいが、ムニョンはそれがどうしてもできずにいる。
・ムニョンを訪ねてきたイ代表が、ムニョンが苦しんでいることを知り、力づくでソウルへ連れ帰ろうとするが、戻ってきたガンテに阻止される。
・ガンテは仕事を休み、ムニョンをドライブに連れ出し、ムニョンを空き缶のようだと言ったことを謝る。ムニョンは何もかもを我慢して生きているガンテに「安全栓を抜いてあげる」と言う。
・イ代表がコンビニで飲んでいると、ジュリも1人で飲み、酔っ払っていた。ジュリはガンテの電話にムニョンが出たことでやけ酒を飲んでいたのだ。ジュリに名刺を渡すと、その名前を見て、ムニョンの出版社の代表だと気づき、ジュリは代表に「あんたのせいだ」と言い、ビンタした。
・院長がガンテに休んだ理由を聞く。院長はガンテ兄弟とムニョンが一緒に暮らしていることに気づいていた。ムニョンの母ト・ヒジェはある日こつ然と姿を消し、5年後に死亡届が出されたのだと言う。院長はムニョンが母を恋しがって、ウンジャを母と勘違いしたのだと思ったようだが、ガンテは恋しいのではなく怖いのではないかと言う。
・院長がムニョンの父に妻の話を聞く。妻はムニョンを深く愛し、毎晩クレメンタインの歌を歌っていたと話す。
・ウンジャが正気に戻った。ガンテに娘が買ってくれたショールが高すぎると文句を言い、そのまま娘が事故で亡くなったことを話しながら、後悔して泣いた。
・ジェスと飲み、酔って帰宅したガンテはムニョンに兄のために作った人形を渡す。握って寝れば、悪夢を食べてくれるこの人形はマンテという名前で、ガンテとサンテと3兄弟なのだと言う。
・寝ているサンテに絡み、「チャンポンを食いに行こう」と言うガンテ。子どものころ母とよく行った店。ガンテは兄が好きだったからよく食べに行ったと記憶していたが、サンテは「僕じゃなくておまえの好物だった。おまえが毎日ねだるから、母さんが連れてってくれた」と言った。記憶の中の母はいつも兄だけを大事にしていたが、本当はガンテのことも同様に愛してくれていた。それに気づき、ガンテは兄に抱きつきながら、「母さんに会いたい」と泣いた。
・童話クラスが休止になったことを知らず、病院へ来たムニョン。院長に文句を言おうと探しに行くと、院長はウンジャと話をしていた。怒っているムニョンを見つけ、逃げる院長。
・ウンジャはムニョンに迷惑をかけたことを謝る。ムニョンは「迷惑どころかクビになりました」と言い、娘からプレゼントされたショールを欲しいと要求した。ウンジャはショールをムニョンにあげると、肩が軽くなったとガンテにつぶやいた。
・「春の日の犬」はあまりにも長くつながれていたので、ひもの切り方を忘れてしまった。それになぞらえ、ガンテはムニョンに「よくやった。おかげで切れた」と言い、頭をなでた。
・ムニョンは父に「おまえも母親のようになるだろう」と声をかけられたが、「いいえ、私は違う」ときっぱり反論。帰宅すると、長い髪の毛をばっさりとハサミで切った。
・病院でクレメンタインの歌を聴いたムニョンの父が発作を起こす。
・ガンテがムニョンの髪の毛をきれいに切り揃える。鏡の中の自分を嬉しそうに見つめるムニョン。「私、どう?」と聞かれ、ガンテも「きれいだ」と微笑んだ。
第8話
・長い髪をばっさりと切り、ムニョンは「これで母さんから解放されるわ」と嬉しそう。「おめでとう」と言うガンテに、ムニョンは「それより褒めてほしい」と頭を出し、ガンテは「偉いね、感心したよ」と頭をなでた。
・サンテはムニョンの長い髪が好きだったと言い、髪を切ったことが不満。何度も「切らない方が良かった」と連発する。
・昨夜、発作を起こしたムニョンの父。「クレメンタインを歌ってた。確かに死んだはずなのに。彼女がここにいるんだ」とガンテに話す。
・ガンテはムニョンの笑顔が頭から離れない。
・院長が監視カメラの映像を確認し、クレメンタインの歌を歌っていたのがパク・オンナンという患者だと分かったが、彼女はしらを切る。
・院長はオンナンの観察をガンテに依頼。ガンテは引き受ける代わりに、ムニョンの童話クラスの再開を要求した。
・ガンテとサンテ、ムニョンの3人でチャンポンを食べに行く。懐かしい味にガンテは母を思い出し、涙がこみ上げる。
・ピザ屋のバイトへ行くサンテと別れ、ガンテとムニョンはカフェへ。サンテはバスの中から、ムニョンがガンテに腕を絡ませたのを見ていた。
・カフェにいた男性客がファンだと言い、ムニョンに話しかけてきた。ムニョンは彼が持っていたペンが気に入り、彼にサインをしたり、一緒に写真を撮ったりの大サービス。ガンテはムニョンのそんな態度に嫉妬し、不機嫌になる。
・ジュリに好意を持つイ代表がジュリの家に住むことになる。代表はジェスと、ジュリはスンジェと相部屋に。ジェスは代表が寝ている間に、ひげを勝手に剃る。
・入院患者のチュ・ジョンテとイ・アルムがリネン室で密会しているのをガンテが見つける。言わないでほしいと懇願される。
・帰宅したサンテは、ムニョンがマンテを持っていることに気づき、取り合いになる。マンテの頭が取れてしまい、2人は取っ組み合いの激しいケンカに。帰宅したガンテが仲裁に入る。
・ガンテは「勝手にあげてごめん」と兄に謝り、ムニョンに譲ってやってほしいと頼む。「僕には何が残るの?」と兄が聞くと、ガンテは「兄さんには僕がいるよ」と答える。サンテは「ガンテじゃなくてマンテだけを譲る」と言う。
・ガンテから兄がマンテを譲ってくれたと聞いたムニョン。ムニョンは我慢する方法をガンテに聞く。ムニョンは「安全栓と爆弾。私たちは運命の相手ね」と笑う。ガンテはムニョンが素敵だと言っていたのはファンの男のことではなく、その彼が持っていたペンのことだったと知る。ムニョンは「ペンよりあなたの方が断然素敵」とガンテに言い、ガンテの膝に頭をのせて眠る。ガンテはマンテの頭を縫い付け、眠っているムニョンの手に握らせる。ムニョンの寝顔を見つめ、そっとムニョンの手に触れるガンテ。
・ムニョンの童話クラスが再開される。
・看護師長が壁に絵を描くサンテに話しかけ、仲良くなる。
・アルムの離婚したDV夫が病院にやってきて、アルムに心を入れ替えるからやり直そうと迫る。アルムが好きな人がいると言った途端、豹変したので、居合わせたムニョンが缶を投げつけると、元夫はムニョンを殴った。それを見たガンテが元夫に殴りかかる。
・この責任を取り、ガンテは停職処分を食らう。ガンテはこみ上げてくる笑いを抑えることができず、ムニョンのところまで走っていき、「言ってたよな。いつでも僕をさらってくれるって。君と遊びに行きたい」と言う。「今から行こう」とガンテが手を差し出すと、ムニョンも笑顔でその手を握った。
第9話
・ムニョンはどうせ行くなら海外がいいと盛り上がるが、ガンテは泊まりはダメ、1泊するなら兄さんもと言い、ムニョンを怒らせてしまう。
・アルムの居場所が元夫に知られたことで、家族が彼女をアメリカに連れていくと言い、強引に退院させる。
・ガンテはムニョンと日帰り旅行に行こうと決め、ジェスに兄を頼む。
・サンテとムニョンが意気投合し、ムニョンが「私たちは気の合う相棒ね」と言う。サンテは大好きなムニョンの相棒になれたことに感激する。
・ムニョンは日帰り旅行に不満だったが、行くことに同意する。ムニョンとガンテはお互いに相手の影響で変わっていく自分に気づく。
・後先を考えずアルムの夫を殴ったことを「あなたは悪くない。かっこよかった」とムニョンに言われ、ガンテは思わずムニョンにキスしたくなる。が、森のキバノロがおかしな声で鳴き、ガンテはキスをやめてしまう。「キバノロめ、ぶっ殺してやる」と怒るムニョン。
・院長がムニョンの父と話をする。彼は妻が人を殺したこと、妻のことは自分が殺したこと、殺したはずの妻が戻ってきたことを語る。院長はガンテにそれを知らせ、ムニョンは母を怖がっているのかもしれないと話し、母が戻ってきたら、夫と娘に会いに来るはずだから、君がコ先生をしっかり守ってやりなさいと言う。
・ムニョンがサンテにガンテの女性関係について聞く。ガンテは自分のことが一番好きで、女性のことは好きじゃないと答える。「遊ぶ楽しさを知らないのね。私が教えよう」とムニョンがつぶやくと、サンテはムニョンにはマンテをあげたから、ガンテは僕と遊ぶと言う。サンテはガンテのことがすごくかわいいと言う一方で、ムニョンが「憎かったことは?」と聞くと、急に黙り込んでしまう。
・ガンテとムニョンが日帰り旅行を楽しんでいると、ジョンテから連絡が入る。ジョンテはアルムと遠くへ逃げようとしたが、お金がなくなり、ヘルプを求めてきたのだ。病院に知らせようとするガンテに、ムニョンが「今夜はここに泊まって、明日病院に連れて行けば?」と促し、しぶしぶ許可。ガンテたちも同じ宿に1泊することになる。
・ガンテは泊まることになるかもと兄に連絡。後ろめたさでいっぱいになる。
・ムニョンが子どものころに1人だけ親友がいたことを語る。それはジュリ。当時ジュリはいじめられっ子で、周りに怖がられ、友達がいなかったムニョンに「友達にならない?」と声をかけてきた。ムニョンといることでいじめられなくなったジュリは、ムニョンのほかにも友達ができるようになり、自分のところに戻ってきてほしいムニョンがその友達をいじめると、ジュリはムニョンに腹を立てた。
・宿のおばあさんが作ったジュースを一気飲みしたガンテだったが、それは酒だった。酔っぱらったガンテをムニョンが襲うが、ガンテは理性で我慢する。
・朝になりガンテは摘んできた花束をムニョンに渡し、キスをした。
・ジョンテとアルムはこっそり逃げようとしたが、ジョンテは好きだからこそ、回復していない今、逃げるのは違うと考え、踏みとどまった。「必ず健康になって君を迎えに行く」と泣く泣く別れた2人。
・ガンテとムニョンはジョンテを連れて病院へ。
・ジョンテが旅先でガンテとムニョンに会ったことを別の患者に話すと、その噂はあっという間に広まり、壁画を描きに来ていたサンテの耳にも届く。
・ガンテが壁のところへ行くと、看護師長が噂について探りを入れてきた。そこへサンテが来て、ガンテがウソをついたことを責める。「僕とコ先生とどっちが好き?」と聞く兄にガンテは「当然兄さんだよ」と答えたが、サンテは興奮しながら「ウソをついてる目だ」と怒る。兄をなだめようと、必死に謝るガンテ。
・突然サンテは「兄ちゃんなんか死んでしまえばいいって言って、川で僕を溺れさせた」と言い出し、「皆さん、聞いてください。弟が僕を殺そうとしてます」と大声で叫んだ。あまりの衝撃に立ちすくみ、ガンテは「違うんだ。ウソなんかじゃない」と言いながら泣いた。
第10話
・興奮しながら、「弟に殺される」と叫びまわるサンテ。様子を見に、病院へ入ってきたムニョンもその光景を見る。院長が鎮静剤を打ち、サンテは眠りについた。
・ムニョンがガンテに、川に落ちたのは事故だし、結局は助けたんだから罪はないと言うが、ガンテは死ねばいいと思って逃げたことを兄が気づいていたと知り、苦しむ。
・患者たちがガンテの陰口を叩き、それを聞いたジョンテが怒って、消火器をまいた。騒動の発端となったガンテとムニョンの噂を広めたオ・チャヨンは猛省する。
・看護師長がオンナンの記録を調べる。面談室で話をすると、オンナンは「なぜオセロは妻を殺したと?誤解が原因よ」と不敵な笑みを浮かべた。
・サンテは目を覚ましたが、布団を被り、病室からも出ようとしない。ガンテは入りたくても入る勇気がなく、病室の前で一夜を明かす。
・騒動を知り、ジェスが病院へ。これまでも危険なムニョンに惹かれていくガンテを何度も止めていたジェス。ガンテは「僕は兄さんを残して夢を見てしまった」と言い、泣いた。
・サンテがジェスの持ってきたピザを食べていると、誰かが病室に「西の魔女の殺人」の本を置いていった。ムニョンの母ト・ヒジェが書いた小説だ。サンテがぺらぺらめくってみると、「弟が兄を殺す」と書かれたメモが挟まっていた。ドアの向こうから看護師長が覗いている。
・サンテが描いている壁の絵をオンナンが見ている。その様子を看護師長が見ている。
・ムニョンはガンテに「これで良かった。兄さんに縛られて生きるのはもうやめなさい」と言う。ガンテは「夢から覚めたんだ。僕が悪いんだ。兄さんは僕のすべてじゃないといけないのに」と言い、ムニョンに「どうか僕のひどい人生から消えてくれ」と頼んだ。ムニョンは「今のあなたは『離れないで』って言ってるみたい」と言い、ガンテの手を握るが、ガンテはそれを振り払い、去っていく。ムニョンは泣きながら、ガンテに暴言をぶつけた。
・サンテの病室に看護師長が入ってきた。サンテが大好きな恐竜のドゥーリーのお母さんのぬいぐるみをプレゼントすると、サンテは大喜び。
・ジュリが落ち込むガンテを励ますつもりで「辛いなら自分の幸せだけを考えて」と言うと、ガンテは、ムニョンの家にあるサンテの荷物を取りに行ってほしいと頼んだ。
・ガンテが家に戻ると、サンテは慌ててクローゼットに閉じこもった。ガンテがあの日、川に落ちた兄を置いて逃げたことや、死んでしまえばいいと言ったことを泣きながら謝ると、サンテはクローゼットから出てきて、弟を優しく抱きしめ、「僕を捨てないでくれ」とつぶやいた。
・2人で並んで布団に入ると、兄は「ムン・ガンテはサンテのもの」と言い、ガンテもそれに同意した。
・サンテの荷物を取りに来たジュリとムニョンがお酒を飲む。ジュリは酔ってムニョンにさんざん暴言を吐き、イ代表がジュリを迎えに来た。代表はムニョンに、3人で住んでいた家に1人でいる今の気持ちを聞く。ムニョンがいろいろな言葉を並べると、代表はそれを「恋しい」という気持ちだと教えた。
・イ代表の車で帰ってきたジュリは、ガンテに、自分にだけよそよそしい態度なのが気に入らないと悪態をつく。ガンテは翌朝からジュリに気軽な口調で接し、ジュリは喜ぶ。
・ガンテは熱があるが、仕事を休もうとしない。ムニョンが何度も連絡してきたが、すべて無視した。
・看護師長がガンテに、サンテにぬいぐるみをあげたことを伝え、サンテがオンナンと親しいか聞く。看護師長はオンナンのおかしな行動が気になっていた。
・オンナンが病院の庭で「西の魔女の殺人」を読みながら、クレメンタインを歌っている。ムニョンの父がそれを聞き、近づくと、オンナンは彼の耳元で「また殺すの?」とつぶやいた。ムニョンの父がオンナンの首を絞め、ガンテが助けに入る。ムニョンのことも一緒に殺すと叫ぶ父に、ガンテは「娘さんは怪物なんかじゃない」と言うが、父は「殺さないと君が殺される」と訴えた。
・オンナンはト・ヒジェに詳しいのか、ト・ヒジェ本人なのかと院長とガンテが話をする。
・ムニョンがジュリの家に来て、ジュリの母にわかめスープをリクエストする。今日がムニョンの誕生日なのだと察し、おめでとうと言うジュリの母。
・ムニョンは2階にいるサンテにマンテを返し、「マンテじゃなくてサンテをちょうだい」と言う。サンテは「ウソの顔だ」と怒り出し、マンテを投げつけ、「キャンピングカーなんてもういらない」と言いながら、丸めた紙を窓から捨てた。それはキャンピングカーに乗った3人の絵だった。
・チャヨンがオンナンの落とし物を探しに外へ行き、オンナンに石で殴られた。「大事な日だから会う人がいる」と言っていたらしい。それを聞き、はっとするガンテ。
・ガンテは無視していたムニョンからのメールの中に、「今日は大事な日なの」の言葉を見つけていた。急いでムニョンの家へ向かう。
・そのころオンナンがムニョンの家を訪れていた。玄関でクラッカーを鳴らし、「ハッピーバースデートゥーユー」とムニョンに言う。
第11話
・突然やってきたオンナンを不審に思いながら、お茶を入れ、用件を聞くムニョン。オンナンは今日ムニョンの父に殺されそうになったこと、娘のことも殺すと言っていたことを伝え、「娘の誕生日に殺すだなんて。だから慰めに来た」と言う。ムニョンの母のファンだと言いながら、ムニョンの私物をあれこれ物色する。
・ムニョンのペンをいじると、「触らないで」と怒鳴り、ムニョンがペン先を掴む。オンナンがそれを引き抜くと、血が辺りに飛び散った。
・家に着いたガンテは血を見つけ、不安気な顔になるが、ムニョンの姿を見つけると、彼女を抱きしめ、「良かった」と安堵した。
・ムニョンは誕生日だから来てくれたのだと喜んだが、ガンテが逃げた患者を捕まえに来たのだと知り激怒。オンナンにケガをさせられたとき、とっさにハサミで切りつけようとしたが、ガンテの言いつけを守り、3つ数えて我慢したことさえ腹立たしく思えた。
・ガンテがムニョンの部屋に入り、手の傷の手当をする。ムニョンはこの傷よりも、人生から消えてくれと言われたことのほうがずっと傷ついたと文句。怒るムニョンにガンテは自制できないときは3つ数えろと言い、ムニョンが数え終えると、彼女にキスをした。「おめでとう。会いたかった」と言うガンテにムニョンは嬉しそうに笑った。
・ムニョンが熱のあるガンテを看病する。
・朝になり回復したガンテがムニョンに母が殺されたことと、兄のトラウマについて告白する。ガンテは「僕は兄さんのそばにいるから、君は僕のそばに」と言うと、ムニョンは笑顔で「いいわよ」と答えた。
・看護師長がオンナンの私物を片付けるよう指示。ガンテが私物をチェックしていると、「西の魔女の殺人」の本にメモがたくさん挟んであった。文字は塗りつぶされていて、何が書いてあったのかは分からない。
・ジェスのピザ屋をムニョンが訪れ、サンテと話をする。ムニョンはサンテが捨てた絵を見て、次回作がひらめいたと言う。キャンピングカーに乗った3人のシルエットが描かれた絵。ムニョンは次回作の挿絵を描かないなら、違約金を払えとサンテを脅し、2人はまた大ゲンカになる。
・ガンテが兄のトラウマについて院長に相談する。
・ガンテはムニョンに、兄は僕を奪われそうで怖がってるから、脅すんじゃなくて、仲間が増えるんだと説得しようとアドバイス。
・ガンテは兄に、兄の好きなアニメの話と重ね合わせ、僕たちは大人だから他人とも家族になれると話す。
・院長がサンテに壁の絵に蝶がいないことを指摘。サンテが蝶は描かないと言うと、じゃあ代金を払わないと言う。サンテは院長に腹を立て、もう絵を描かないとすねる。ガンテは院長にトラウマから逃げないように言われたので、兄にも「逃げないで説明しろ」と怒鳴る。いつもは我慢してばかりのガンテが兄に歯向かってきたので、サンテは怒り、2人は取っ組み合いの大ゲンカに。実は兄とケンカすることはガンテの夢だった。それが叶い、ガンテは嬉しかった。
・ガンテはムニョンに3つ夢があり、そのうちの2つは叶ったと伝える。1つは引越じゃなくて旅行すること。もう1つは兄とのケンカ。残りの1つは制服で登校することだったが、それはもう叶わない。
・制服姿のガンテが同じく制服を着たムニョンに告白する夢を見た。「僕は彼女がすごく好きだ」と寝言を言うガンテを見たサンテは、初めて見る弟の表情を、表情カードで探す。それが「幸せだ」という表情だと知るサンテ。「ガンテは幸せそうな顔をしてる」とつぶやきながら、サンテは何度も何度も弟の顔を覗き込んだ。
・サンテがガンテをレストランに呼び出す。兄らしく弟の肉を切ってやったり、自分の肉を分けてやったり、せっせと世話を焼くサンテ。食事代を出してくれたばかりかお小遣いまでくれた。そんな兄を微笑ましく見つめるガンテ。
・ガンテたちがこの店で食事することを知り、こっそりムニョンも来ていたが、ムニョンが「私にもおごって」と言っても兄は無視。ガンテに「家に帰ろう」と言い、さっさと歩き出した。その後ろ姿に「私も兄さんが欲しいの」と怒鳴るムニョン。サンテは一瞬立ち止まったが「ムン・ガンテ来い」と言い、また歩き出した。がっかりした表情になるガンテとムニョン。しばらく歩いたあと、サンテは再び立ち止まり、今度は「コ・ムニョン、早く来い」と言った。ガンテとムニョンは大喜びでサンテに駆け寄った。
・ガンテとサンテはまたムニョンの家で暮すことになる。
第12話
・ガンテが朝起きると、サンテとムニョンが朝食を食べていた。2人は作品について話をしながら、またケンカになる。ガンテが話しかけても、2人にはまるで聞こえない。
・イ代表がジュリに親孝行のため見合いすると告げる。また連絡すると言って出かけたが、連絡はない。ジュリは気になって何度も携帯電話を見てしまう。スンジェは見合い相手が代表の好きなソン・ヘギョ似だったとジュリに教える。
・看護師長が院長になぜあの日、ムニョンの父がオンナンにあんなことをしたのかと尋ねる。院長はオンナンが自分の妻に見えたのだろうと答え、彼は妻をすごく憎みながらも恐れていると言う。ムニョンの母が人を殺したことも教えると、看護師長は驚き「誰を?」と聞くが、そこへサンテがやってきた。
・蝶を描く描かないで院長にすねていたサンテだったが、院長が古代ギリシャ語で蝶はプシュケーといい、治癒を意味するのだと教えると、何度も「治癒」とつぶやく。院長は「もう蝶から逃げてほしくないんだ。ゆっくりと一緒に努力しないか?」とサンテに言う。
・ムニョンがガンテに新作について話す。自我を失った少年はガンテ、感情のない空き缶姫はムニョン、箱にこもるおじさんはサンテ。この3人が旅をしながら、自分たちより奇妙で何かが欠落した人々に会うのだと言う。ハッピーエンドだといいなと言うガンテ。
・病院のクォン医師が結婚することになり、聞けばお見合いからとんとん拍子で話が進んだのだという。ジュリはますますお見合いをした代表のことが気になる。
・ムニョンはガンテをベッドに誘うが、お酒を飲みすぎてしまう。ガンテにくっつき、2人が戻ってきたことがとても嬉しいと告げた。
・兄の画材の準備をしていたガンテが、机に見覚えのない封筒を見つけた。中を見ると、蝶と「もうすぐ行くから」と書かれたメモが入っていた。それはあの日、オンナンが置いていったものだった。ガンテは衝撃を受け、思わずその場に座り込んだ。
・今日はサンテが院長と面談する日。サンテは蝶が治癒の象徴だという話を聞いたが、やはりまだ蝶が怖い。ガンテは怖がる兄に「逃げるのはやめよう」と励ます。
・ガンテは看護師長に頼まれ、患者の病室の持ち物検査をする。ムニョンの父の私物の中に家族写真を見つける。妻の顔は叩き潰されていた。
・病院の患者カン・ピルンが外出してもいい日。巡回バスの中でサンテに会う。サンテが、壁画に蝶を描いてないから報酬がもらえないという話をすると、ピルンは「過去にとらわれてちゃダメだ。俺みたいになる」と言い、自分はもう病院から出られないと語った。「扉を開けて出ればいい」と言うサンテに、ピルンは「扉が見えないんだ」と答えた。
・バスの外から道路工事のドリルの音が聞こえる。ピルンにはそれが戦争の爆撃の音に聞こえ、パニックになってしまった。優しいピルンは戦争で罪のない人たちを殺した罪の意識が拭えず、心を病んでいたのだ。とっさにサンテが上着を頭から被せ、大丈夫大丈夫とピルンを優しく抱きしめた。
・無事、病院に戻ってきたピルン。院長はサンテの素晴らしい対応を褒め、それをガンテにも教えた。サンテは「悪夢を食べて育った少年」の本をピルンに貸す。
・サンテはピルンから聞いた話を院長とガンテにも聞かせ、これからはもう逃げないと宣言した。院長が母が殺された日に見たことを聞くと、サンテは恐る恐る語り始め、母を殺した女の服に蝶が止まっていたのだと言った。どんな蝶だったか院長が聞くと、サンテは「母親の背中に子どもの蝶がおんぶされてた」と答えた。それを聞き、はっとするガンテ。さっき見たムニョンの父が持っていた写真に、まさにその蝶のブローチをつけたムニョンの母が写っていたのだ。
・ムニョンがサンテに、血がつながってなくても家族写真を撮れば家族だと言い、3人で写真を撮ることにする。ムニョンは嬉しそうにガンテにもそれを伝えるが、ガンテにはムニョンに優しくする余裕がない。「帰れ」と怒鳴ってしまう。
・ムニョンはガンテがなぜ急に怒ったのか分からず、ピザを注文し、ジェスに相談。ジェスはガンテは気持ちを隠そうとするから、無理に暴こうとせず、ただ隣で静かに慰めるよう助言する。
・ガンテは母を殺したのがムニョンの母だと院長に告げ、この残酷な現実と苦しい胸の内を泣きながら吐露した。ムニョンを傷つけたくないガンテは、この事実を彼女には知ってほしくないと院長に語った。
・ガンテはムニョンの寝顔を見つめる。ムニョンは酔った日の夜、ガンテに頭から血を流した母を父が地下室に閉じ込めたこと、その母が地下室から消えたことを伝え、その母が戻ってきたら、すごく怖くて息が詰まると思うが、母さんは母さんだと言っていた。
・翌朝、ムニョンとサンテは正装し、準備万端だったが、ガンテは起きてこない。この日のために表情を作る練習までしたサンテに別の日にしようと言えず、ムニョンは本に載せる写真を撮りに行くことにした。
・サンテが練習した笑顔をムニョンに見せると、ムニョンは「それは偽物よ。無理しないで。ムン・サンテのままでいいの」とサンテに言った。
・2人だけで写真を撮ろうとしたそのとき、ガンテが現れた。嬉しそうに笑うサンテとムニョン。3人は家族写真を撮った。
第13話
・母を殺したのがムニョンの母だと知ったガンテは絶望し苦しむ。
・スーツのポケットにマンテが入っているのを見つけたガンテ。「マンテのおかげで私は悪夢を見なくなった。あなたとサンテさんとマンテ。私に家族ができてすごく嬉しい」というムニョンからのメッセージを読み、ガンテはスーツに着替えた。
・写真館にガンテが現れ、サンテとムニョンは満面の笑顔を浮かべる。
・イ代表が実家から戻ってきた。実は見合いの話はジュリの気を引くためのウソだった。内心気になって仕方ないジュリだったが、代表にはそんな素振りを全く見せない。
・ガンテはムニョンに「誰かを守ることにもう疲れ果ててしまった。これからは使命ではなく目標にしたい。家族を守ることはかっこいいこと。僕が守り抜いてみせる」と言う。ムニョンが「その家族に私も入ってる?」と聞くと、ガンテは「写真を撮ったら家族だ」と答え、ムニョンは大喜びする。
・イ代表が見合いの話はウソだとジュリの母に伝える。母は、ジュリは父が亡くなってから、しっかり者でいようと頑張り続けたせいで頼り方を知らないと言い、辛いときに心の支えになってあげられる人であれば、それで十分だとアドバイスした。
・ガンテがムニョンに「もし別の場所で暮らそうと行ったら行く?」と聞く。ムニョンは「蝶から逃げないといけないの?」と聞き、「蝶は引きちぎって殺すから心配しないで」と答える。そんなムニョンを抱きしめ、「もしも蝶が現れても、絶対に殺すな」と約束させるガンテ。約束の証にムニョンがガンテにキスをする。
・部屋に戻ってきたガンテの顔を見て、サンテは弟が恥ずかしがってると判断した。「チューしたの?」と聞かれ、ガンテが「うん」と答えると、サンテは「ケンカするよりマシだ」と言った。
・サンテが壁画を描いていると、ピルンが本を返しに来た。サンテが蝶を描く練習をしていると伝えると、ピルンは「ここに蝶が舞うのと、俺の退院とどっちが先かな」と言い、「早く一緒に出よう」と笑った。
・ガンテはオンナンが持っていたメモと、「もうすぐ行くから」と書かれたメモを院長に見せる。オンナンが持っていたメモは文字が塗りつぶされていて、何が書いてあったかは分からないが、院長はこれをほかの誰かからもらったのだとしたら、病院内の誰も信じるなとガンテに言う。
・兄が心配でたまらないガンテ。サンテは子ども扱いする弟に、蝶を描く練習をしたスケッチブックを見せ、もう逃げないと宣言。「僕が弟と妹を守ってやらないと」と言う兄をガンテは嬉しそうに見つめた。
・患者のユ・ソンヘが突然8歳の女の子になった。幼いころ母親に虐待され、彼女は多重人格になったのだ。虐待されても傍観してるだけだった父親。父は娘を霊が取り憑いたと言って霊媒師に売ったのだが、その父が肝臓移植してほしくて娘を訪ねてきた。ソンヘは母から守ってくれなかった父を責め、大嫌いだと言い、泣いた。
・サンテが描いた挿絵を見たムニョンは、表情がないことを指摘。サンテが表情を描くことが難しいと訴えると、ムニョンは「弟の顔だけじゃなく、ほかの人の顔も観察して、表情を勉強して」とサンテに命じた。サンテはジェスやスンジェを相手に勉強を開始。
・ガンテがムニョンに、ムニョンの父の死が近いことを伝える。
・ムニョンの父が妻を殺したことを懺悔する。看護師長が彼の手を握りながら、話を聞く。途中でガンテも合流した。ムニョンの父は、人を殺しても鼻歌を歌い、笑っていた妻を階段から突き落とし、それを幼いムニョンに見られたのだと言う。ムニョンも母親のような怪物になるだろうと思い、殺そうと思ったことも泣きながら告白した。
・そんな中、ムニョンはジュリを呼び出し、一緒にお酒を飲む。母がとても怖かったこと、母が身勝手な育児をしている間、父は何もしなかったこと、たった一度だけ童話を読んでくれたことなどを語るムニョン。
・看護師長はガンテに「コさん、辛かっただろうに、立派に育った」と言う。
・ムニョンの父が亡くなった。
・ムニョンはこの家を売り、売ったお金で代表に出版社を構えさせ、残りでキャンピングカーを買い、3人で遊び回ろうとガンテに提案。ガンテが学校に通いたいと言うと、女が寄ってくるからダメだとムニョンは却下した。
・ガンテたちが3人で仲良く病院にやってきた。サンテは「今日こそは蝶を描いてみせる」と張り切っている。が、病院に着くと、ピルンが「扉を見つけたな」と声をかけてきた。
・壁画に蝶の絵が描いてある。それはまさにあの日サンテが見た蝶。「母さんを殺したおばさんの服についてた蝶だ」と言うサンテの言葉を聞き、ムニョンが青ざめる。それが母のブローチだと気づいたのだ。ガンテたちの母を殺したのが自分の母だと知り、ガンテに「違うと言って」と言うが、ガンテは「お願いだ、ムニョン」と彼女の手を取ることしかできない。彼の手を振り払い、ムニョンは病院を出ていった。
・あの蝶のブローチを服につけた女が車を運転している。なんとそれは看護師長だった。
第14話
・ガンテはイ代表に電話し、ムニョンのもとへ行ってほしいと頼む。
・サンテは恐怖のあまり、食堂のシンクの下に隠れて出てこない。ガンテが壁画の蝶は羽が3つあったから突然変異の蝶で、親子の蝶じゃないと言う。それを聞き、少し安心したサンテは、蝶が現れても逃げないと宣言し、ガンテに「隣で少し助けてくれたら、僕は蝶に勝てる」と言った。
・院長とガンテが監視カメラの映像を確認すると、壁画に蝶の絵を描いたのが看護師長だとわかる。院長は今日まで気づかなかったことをガンテに詫びる。
・ムニョンの父の死の間際、看護師長は自分が妻であることを暴露し、20年もの間、こんなふうに弱っていく惨めな姿が面白かったと笑った。ムニョンに魔の手を伸ばそうとしていることを知り、ムニョンの父は苦しみながら死んでいった。
・イ代表がムニョンの家へ。ガンテが兄にジュリの家へ行くように言うと、サンテは「ムニョンとケンカしたな。丁寧に謝れ」と兄らしく助言した。
・ガンテもムニョンの家に到着し、代表にムニョンの母について伝える。
・苦悩するムニョン。ガンテが「僕は死んでも離れないから。今でも君は僕が好きなコ・ムニョンだ」と言うと、ムニョンは「偽善者」とつぶやいた。
・サンテがさっき見たムニョンの表情に「恐ろしい」「悲しい」という感情を読み、どうしてあんな顔をしたのかとジェスに言う。
・ジュリもまたムニョンに何かがあったことを察し、心配する。
・扉を隔てて、ガンテがムニョンに「僕も苦しかった。信じたくないから否定しようとした。恨んだりもした。だけど、すべて無駄なことだ。だって、君が笑うだけですべてを忘れられる。蝶や母さんすら忘れてしまう。ムニョンは何も悪くない。僕らは何も悪くない」と言う。ムニョンが聞きながら泣き続けている。
・ガンテがムニョンにムニョンの母が生きていて、それが看護師長だったこと、蝶の絵を描いたあと消えたことを伝える。ムニョンは地下室にあった蝶のブローチが消えたことをガンテに伝えると、取り乱しながら「母さんが来たのよ。この家から出ていって。サンテさんだけでも守って。お願いだから逃げて」と叫ぶ。必死にガンテとサンテを守ろうとするムニョンをガンテが抱きしめる。
・サンテがガンテに電話。ムニョンがまだ苦しそうなことを伝えると、兄は「体が苦しいと涙が出るけど、心が苦しいと、寝るときに泣くんだ。くーんくーんって泣いてる?」と「春の日の犬」に例えて聞いた。「うん」と答えるガンテも泣いている。「首ひもが切れてないのかな。ガンテが切ってあげればいい」とサンテが言うと、ガンテは号泣した。
・サンテがジュリの母におかゆを作ってもらい、ジェスと共にムニョンの家に来た。ムニョンはサンテの顔をまともに見ることもできず泣いている。サンテはムニョンの好物のうずらの卵をおかゆの上にのせ、幼い子にするようにおかゆを食べさせる。ムニョンはサンテに「悪かったわ。許して」と泣いていたが、サンテに「食べたら許してやる」と言われ、泣きながら食べる。サンテは「いい子だね」と言いながら、おかゆを食べさせ、「ガンテとケンカせずに仲直りしなさい」と言い、ムニョンの涙を拭いてやる。
・ジェスは「お前は弱いんだ。ムニョンも弱い。だから弱い者同士、力を合わせればいい。そしたら無敵だ」と言い、ガンテを励ます。
・サンテからムニョンが許してって言いながら泣いてたと聞くガンテ。サンテは食べたら許すって言ったら、ぱくっと食べたから許してあげたんだと言い、ガンテにも具合が悪いのかと聞く。ガンテが「僕を抱きしめて。少し怖いんだ。守ってくれる?」と言うと、サンテはガンテを抱きしめながら、「おまえたちの兄さんだから守ってあげる」と言い、ガンテは「兄さんがいて良かった」と泣いた。
・サンテとジェスが帰ったあと、ガンテは玄関に封筒を見つける。開けてみると、「手とアンコウ」の本が。「この本はあなたの唯一の失敗作だけど、母さんが一番好きな本よ。創作家ならわかるわよね。失敗作は廃棄処分しなきゃいけない」というメモも入っていた。
・世に出ないままだった「西の魔女の殺人」の最終話の原稿をムニョンは隠し持っていた。ムニョンは、以前階段から突き落とした評論家に連絡。たちまち最終話がイ代表の会社から発売されると公表された。ネットの記事でそれを知るイ代表。ムニョンはこうすれば、母がここへ来るはずだと代表に言う。「ガンテは蝶を捕まえられない。私がやるわ」と言うと、代表はすでにト・ヒジェ先生から連絡が来て会うことになったと告げた。
・サンテが看護師長から呼び出される。電話に出ない兄を心配して、ガンテが家へ向かうが、家は留守。そこへサンテの携帯から電話が入る。電話口の声は看護師長だった。「何かしたら絶対に許さない」とガンテが言うと、看護師長は「私は悪くないから許しを請う必要もないわ」と答え、呪われた城にいると告げた。
・ムニョンの母に会う代表と一緒に出かけたムニョン。実は会う約束というのはウソ。家からムニョンを遠ざけるための口実で、ガンテが代表に頼んだことだった。途中でそれに気づき、車を止めさせたムニョンは、車を飛び降りると、ガンテのもとへと裸足で走っていく。
・ガンテがムニョンの家に行くと、そこには看護師長の姿が。ソファに兄が横たわっている。兄が無事か心配して駆け寄るガンテを見て、看護師長はおかしそうに笑った。
第15話
・看護師長はムニョンの家に行ったが、ムニョンはいない。サンテに薬を飲ませ、眠らせる。
・ガンテが到着し、ソファに横たわる兄のもとへ駆け寄ると、看護師長はおかしそうに笑い、「お兄さんとムニョンの二択をさせたかったのに」と言う。ガンテがなぜ苦しめるのかと聞くと、師長は「私の娘を壊したからよ。私の最高傑作にあなたが余計な手を加えた」と答える。ガンテが「ムニョンは作品じゃない。人間なんだ」と怒鳴ると、師長が怒り出す。「これだからあの子はダメになってくのよ。失敗作は廃棄しないと」と言い、それはもったいないから、そのかわりにお兄さんと遠くへ逃げてと言う。ガンテが断ると、師長は「じゃあ、私を殺して。ムニョンはショックで元の性格に戻り、あなたたちは悪縁に縛られたまま」と言い、ガンテはそれも否定する。
・師長が母の話を始める。ガンテたちの母はこの家に家政婦としてやってきた。幼いムニョンがケガをした鳥を見て「羽が折れた鳥はどうぜ飛べないから、殺すべきだよね」と言うのを聞き、ガンテたちの母はムニョンの母に、サンテが通う病院の話をした。彼女は娘を病人扱いされたことに腹を立て、ガンテたちの母を殺したのだと言う。
・師長から殺した理由を聞かされたガンテは、思わず師長の首を絞める。が、ムニョンの「母さんは母さんだから」と言う声が聞こえ、手を止めた。瞬時に、師長はバッグの中から注射器を出し、ガンテに突き刺した。
・そこへムニョンが飛び込んできた。「私はあなたみたいな怪物じゃない」と言い、母をペンで刺そうとすると、ガンテがかばい、ムニョンはガンテの手を刺してしまう。「もしも蝶が現れても、絶対に殺すなと約束しただろ」と言いながら、ガンテは意識を失った。
・ガンテを抱き留めるムニョンの髪をつかみ、師長は「ほら、見なさい。あなたが逆らうからいけないのよ」と言い、その顔にペンを刺そうとした。次の瞬間、師長が頭を殴られ、その場に倒れ込んだ。分厚い世界名作童話集で師長の頭を殴ったのはサンテ。彼は「僕の弟と妹だ。いじめたら許さない」と怒鳴った。
・師長は警察に逮捕される。
・オンナンが持っていたメモは師長が書いたものだった。「明け方、病室の前の廊下でクレメンタインを歌いながら歩く」や「夜にト・ヒジェ先生の城へ行き、ムニョンの誕生日を祝う」などの指示を、オンナンは忠実に守ったのだ。
・院長がガンテとムニョンを救ったサンテを褒める。
・ムニョンがガンテにこの家から出ていってと告げる。ガンテが乗り越えようと言っても、聞こうとしない。
・ガンテが兄に師長はいい人のふりをした悪い人だったことを教える。人が幸せになるのが許せない人だと言うと、サンテは「西の魔女の殺人」にもそんな人が出てくるとガンテに言う。師長がくれたドゥーリーのお母さんのぬいぐるみをガンテが捨てようとしたが、サンテはくれた人が悪いだけで、この子は何も悪くないと言い、捨てさせなかった。
・ガンテが兄にムニョンのことを相談する。何を言っても、ムニョンが出ていけと言って譲らなかったらどうしたらいいかと聞くと、兄は「勝手に言ってろ。そう言えば必ず勝てる」と答えた。笑い出すガンテ。
・ガンテが退職願を出す。院長も引責辞任するつもりだった。ガンテは、乗り越えようとムニョンに言ったが、本当は自信がないと言い、苦しい胸の内を吐露した。院長は「一緒にいると死ぬほど辛いし、別れたら死ぬほど辛くなる。どっちも辛いなら、一緒にいなさい」と助言する。そして、ガンテがムニョンのことを思い出し、師長の首を絞めるのをやめたことを指摘し、「見ると辛くなる顔が君を救うこともある」と励ました。
・サンテがムニョンに宿題をチェックしてくれと頼むが、ムニョンはあの童話は出さないから、もう宿題はやらなくていいと答え、この家を出ていってと告げる。違約金は幾らでも払うと言うムニョンに、サンテは「勝手に言ってろ。絶対に出ていかないからな」と答えた。
・ムニョンがイ代表にもう童話は書かないと宣言し、この家を売る準備を始める。考え直してくれとすがる代表。
・ムニョンが悪夢を見て泣いている。ガンテはマンテを握らせる。
・目を覚ましたムニョンはガンテに「今日中に出てって」と言うが、ガンテは、人の温かさや満腹の幸せを知ったムニョンはもう1人には戻れないと答え、ムニョンの頬に優しく手を当てる。ムニョンは揺れそうな心を抑えるように、手を振り払い、ふとんをかぶる。
・ガンテがどんなに一緒にいようと諭しても、ムニョンはがんとして聞かず、食事もしない。
・ジュリがムニョンに電話し、母が病気なので行ってやってほしいと頼む。口では断ったが、結局ジュリの家に来たムニョン。病気だというのはウソで、ジュリの母はムニョンの好物を作って待っていた。食事をさせたいガンテがイ代表に相談し、代表やジュリたちが知恵を絞ったのだ。ムニョンは涙ぐみながら、ジュリの母の手料理を食べた。
・ガンテとサンテは病院の庭に「母さんの木」を植え、ムニョンと3人で撮った家族写真を飾る。ガンテが母の木に「兄さんのことをしっかり守るよ」と言うと、兄は「守ろうなんて思わなくていい。面倒を見させるために産んだわけじゃないと思う」と言う。強くなっていく兄にガンテは涙ぐみながら「母さん聞いたろ?」と笑う。
・ムニョンが帰宅すると、サンテがスケッチブックを抱えて居眠りしていた。ムニョンに気づき、宿題をチェックしてほしいと頼む。ムニョンが絶筆すると告げたが、サンテは初めて見たガンテの幸せそうな顔の絵をムニョンに見せる。ムニョンは絵を見ながら泣く。サンテはこの絵をムニョンにあげ、どうしても童話を出して、作家になれたと母さんに自慢したいと告げる。
・ムニョンが「母さんの木」を訪れ、謝罪する。ムニョンを尾行してきたガンテが、必ず乗り越えて受け止めるから、一緒にいようと訴えるが、ムニョンは全く聞き入れてくれない。去っていく後ろ姿に、大声で「愛してる」と叫び続けるガンテ。
・帰宅したムニョンがガンテに「愛してるなんて言ったら、その口を……」と言いかけると、ガンテが「こうするのか?」と言い、キスをした。
第16話(最終回・最終話)
ガンテがムニョンにもう一度キスしようとすると、
遠くでキバノロの鳴く声が聞こえた。
「黙れキバノロ」とガンテが怒鳴る。
思わずムニョンが笑い出し、
ガンテも笑う。
「愛してる」と言い、
ガンテがムニョンに改めてキスをした。
__________
イ代表から、
「挿絵作家ムン・サンテの本が出版されるよう、
最大の努力をすると約束します」と書いた念書を受け取るサンテ。
サンテはジェスにこの念書を見せ、
ピザ屋のバイトを辞めると告げた。
__________
ムニョンがガンテに、
「母さんの木になぜ私の写真をかけたの?」と聞く。
ガンテは、
母さんが切望してた兄さんの親友であり、
僕の愛する人を見せたかったのだと答える。
「3人家族になったから安心して」と。
__________
サンテはムニョンの家に戻らず、
ここで寝るとジェスに言う。
ガンテとムニョンが仲直りするために配慮するサンテの優しさを微笑ましく感じたジェスは、
サンテを抱きしめ、
「サンテさんの弟になりたい」と言う。
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ガンテとムニョンが結ばれる。
__________
朝になり、
朝食を作るガンテに抱きつくムニョン。
ガンテは無職になったことを告げ、
もう絵本は描かないと言っていたムニョンに、
「君と兄さんが作った本をいろんな人に見せたい」と言う。
ムニョンは、サンテからもらった絵を見せる。
寝言で好きな人がいると言ったときの、
幸せそうな表情を浮かべたガンテの顔。
ムニョンはこれを見て、
原稿を書き直したと言い、
今回は本を出すことにしたと告げる。
__________
院長がピルンに最後の処方箋として靴をプレゼントする。
「扉が見えないからって、
自ら目を閉じちゃだめだ。
扉が見つかるまで戻らないように」と笑う。
__________
サボってばかりの保護士チャヨンが、
実は院長の息子だとジュリたちが知る。
院長は自分が辞めるとき、
一緒に連れていくとみんなに宣言。
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家に戻ってきたサンテと3人で食事をするガンテとムニョン。
サンテが2人に仲直りしたか聞くと、
ムニョンは「仲直りのキスをしたわ」と答える。
ムニョンはサンテに本を作ることにしたこと、
キャンピングカーをあげるのはなしにしたことを告げる。
キャンピングカーがもらえないと聞き、
不満気なサンテだったが、
代わりにお金をあげると言われ、
ようやく納得する。
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イ代表がムニョンに、
「西の魔女の殺人」の最終話の出版話についてどう責任を取るのかと聞く。
ムニョンは、最終話の原稿と、
ムニョンの最新作「本当の顔を捜して」の原稿の2つを見せ、
どちらかを選ぶように迫る。
代表は「おまえを苦しめた作家の本は出したくない」と言い、
ムニョンの原稿を受け取り、
2人で店を出た。
トイレから戻ったスンジェは、
いなくなった2人を追いかけ、
慌てて店を出る。
ムニョンの前ではムニョンを選んだ代表だったが、
実はこっそりスンジェに、
テーブルに置いてきたヒジェの原稿を持ち帰るようメールで指示していた。
が、そのメールは、
事もあろうに、ムニョンに送っていた。
__________
拘置所の母に面会するムニョン。
母は「私の大切な娘。
あんなヤツらと一緒にいるべきじゃないわ」と言い、
ムニョンは「母さんみたいにアンコウになるところだった」と、
自分の絵本になぞらえて言った。
自分が気の毒なことさえ気づいていない、
食欲だけしかなく、
ぬくもりを知らないアンコウ。
「私はぬくもりを知ってる。
母さんを頭の中から消すわ」と言い、
出ていこうとすると、
ムニョンの母は、
「絶対に私を消すことはできない」と何度も何度も狂ったように叫んだ。
ムニョンは静かに振り返ると、
「母さんにとって蝶はサイコでも、
私たちにとっては治癒よ」と答え、
出ていった。
__________
サンテは、
師長が壁画に描いた蝶の上に色を重ね、
新しい蝶の絵を描く。
ムニョンが、
その様子を嬉しそうに見つめる。
__________
ガンテがジェスの店を訪れ、
ジェスに初めて「兄貴」と呼ぶ。
「今までジェスがいたから耐えられた。
ありがとう、兄貴」と言うと、
ジェスは涙を浮かべて喜んだ。
__________
ゴミ捨て場で「西の魔女の殺人」の最終話原稿を捜すイ代表とスンジェ。
代表は出版しないと言いながらも、
万が一の備えだと言い、
必死になって原稿を捜す。
捜しながら、なくしたのをスンジェにせいにすると、
いつもは言われ放題のスンジェがついに切れた。
代表に口答えし、
そのまま帰っていった。
実はとっくに原稿を見つけていたスンジェ。
腹いせのため、
しばらくは黙っているつもりだった。
__________
ムニョンの最新作「本当の顔を捜して」が、
ついに本になった。
挿絵作家として自分の名前が記され、
顔写真も載っている本を見て、
サンテは大喜びする。
早速、3人で母さんの木へ報告に行き、
サンテは本を母に読み聞かせた。
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出版記念イベントがOK精神病院で開かれることになるが、
「西の魔女の殺人」の最終話を出版すると言いながら、
されなかったことから、
今回もデマだと思われ、
記者が全く来ない。
スンジェがライブ配信することにする。
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ムニョンを娘だと錯覚したウンジャや、
裸で騒ぎを起こした国会議員の息子や、
ジョンテの恋人アルムも、
イベントにやってきた。
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始まる前からムニョンとサンテはどちらが朗読するかで、
揉めていたが、
本番が始まってからも、
読む順番を巡って言い合いになり、
やがて大ゲンカへと発展。
その様子はしっかりライブ配信されてしまった。
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ジュリの母が「大人になるのはまだ先ね」と2人を笑う。
ガンテが兄から預かった新刊を、
ジュリの母に渡す。
「偽物で本物の母さんへ」と書かれたメッセージに、
思わず涙ぐむジュリの母。
ガンテも「抱きしめてもいいですか?」と言い、
ハグしながら、
「感謝してます」と告げた。
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イベントがめちゃくちゃになったことに頭を抱えるイ代表を、
ジュリが励ます。
本が無事出版され、
代表がソウルに戻るとばかり思っていたジュリに、
新しい事務所はここソンジン市に構えると言う代表。
代表がそろそろと手を伸ばし、
ジュリの手に触れると、
ジュリもその手を受け入れた。
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仲直りしたムニョンとサンテ。
院長はプレゼントがあると言い、
3人を連れていくと、
そこにはキャンピングカーがあった。
壁画の報酬だと言うと、
サンテは大喜び。
恐縮するガンテに、
院長は、
人を見誤ったことをこれでチャラにしてくれと言った。
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早速ガンテは旅行しようと兄を誘うが、
兄は行かないの一点張り。
ムニョンも全くのってこない。
ガンテが、
ジェスとイ代表を飲みに誘い、
2人の愚痴をこぼす。
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ガンテが酔っ払って帰宅すると、
ムニョンとサンテが旅支度をして待っていた。
お揃いの家族Tシャツまで着ている。
2人はガンテを驚かせるために、
行かないと演技していたのだ。
嬉しくて泣き出すガンテ。
__________
3人は何日も何日も旅を楽しむ。
ムニョンがガンテに、
2度もガンテの体に傷をつけたことを謝り、
旅行に連れてきてくれたことにお礼を言う。
「らしくないな」と笑うガンテに、
ムニョンは、
「ムン・ガンテを愛してる」と言い、
キスをした。
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ある日、サンテが弟に「このまま旅を続けたい?」と聞く。
ガンテが飽きるまで続けたいと答えると、
兄は「じゃあ、ムニョンと行って。
僕は違う場所に行くから」と言った。
サンテの絵を気に入ってくれた童話作家がいて、
その人と仕事がしたいのだと言う。
ガンテが「僕がいなくて大丈夫?」と聞くと、
サンテは、
「ムン・ガンテはムン・ガンテのもの。
おまえはおまえのもので、僕は僕のものだ」と答える。
泣きながらうなづくガンテ。
「ムン・ガンテは兄さんのものじゃなく、
僕のものなんだ」
サンテはガンテを抱きしめ、
「ありがとう」と言う。
ガンテもまた兄を抱きしめ、
「僕の兄でいてくれてありがとう」と言った。
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イ代表がサンテを迎えに来た。
笑って手を振りながら、
サンテは旅立っていった。
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「本当の顔を捜して」のラストが語られる。
影の魔女が奪ったものは、
3人の本当の顔ではなく、
幸せを探そうとする勇気だったのです。
おまけ~ちょっとだけ感想~
とにかくこのドラマの世界観は、
文章だけじゃ絶対に伝わらないと思います。
兄を世話することを自分の使命として、
自分自身の幸せを一切封印して生きてきたガンテ役キム・スヒョンくん。
異常な母に育てられ、
幼いころから世間と隔離され孤独に生きてきたムニョン役ソ・イェジさん。
そして、
自閉症の兄サンテ役オ・ジョンセさん。
この3人の演技がもううまいなんて、
単純な言葉ではとても足りないほど素晴らしくて、
ぐいぐいぐいぐい引き込まれちゃいました。
特に、ジョンセさんのサンテには脱帽。
変な言い方だけど、
「椿の花咲く頃」のギュテと同じ人にはとても見えないぐらい、
完璧にサンテが憑依してました。
目つきも仕草も話し方も。
もうサンテそのもので、
何度も温かい気持ちにさせられたし、
何度も目の奥がじーんとなったな。
百聞は一見にしかずなので、
絶対に本編を観てほしいです。
ムニョンの豪華で自己主張の強いファッションも、
彼女を象徴する強烈な個性だけど、
この文面からは伝わらないし、
血が通っていないのかと思うほど冷淡な言葉や、
汚い言葉を平気で使うムニョンが、
嬉しいときには、
子どものように天真爛漫な笑顔を見せることとか、
これも実際に観ないと伝わらないです。
イェジさんのスタイルの良さと、
美しさは必見。
ウエストの細さには二度見しちゃうかも(笑)
で、ガンテ。
スヒョンくんについては以前、
「感情を大きく爆発させることで表現するのではなく、
むしろ感情を押し殺したり、
言葉にせず胸に秘めたり、
その苦悩する様子を表現するのが抜群にうまい」
と書いたことがあるんですが、
今回もまさにそれを感じました。
悲しみというのは、
悶絶しながら涙をぼろぼろこぼせば伝わるというわけじゃない。
そんなふうに感じさせてくれる人。
言葉と言葉の隙間にある感情が、
ちゃんと心に響くんだよな。
また彼のことが大好きになってしまいました♡
サブキャラたちも魅力的なんでね、
こちらもぜひ本編でお確かめくださいませ。
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キャストについてはコチラからチェック!
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画像は公式サイトよりお借りしました。
感謝!
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