第11話 後悔
パン店を訪れるミニョク。
「代行」「カン・ユジョン」と呼びながら中に入るが返事がない。
ある部屋の中から物音が聞こえる。
扉を開けてみると、ユジョンが泣きながら頭を壁にぶつけていた。
壁に手をやり頭をかばうミニョク。
暴れるユジョンを無理矢理抱きしめる。
父の死にドフンが関わっていたことを知っての涙。
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ドフンがセヨンの肩に頭を乗せて泣く。
「少しだけこのままで」と声をあげて泣く。
セヨンの手にドフンの涙が落ちて流れる。
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ミニョクの胸の中で声を殺して泣くユジョン。
泣きはらし、魂が抜けたような顏。
「愛する人に死なれたのは私だけじゃないと分かってる。うちの父とサンが死んだのに私はのうのうと生きてる。社長も私のこと見たくもないでしょ」
「分かっていればいい。憎んで救われた。ジヒを追って死ぬ勇気はなかった。だから、死ぬ代わりにおまえを憎んで耐えたんだ。おまえも俺を見て耐えろ」
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「周りを犠牲にして検事になり、身一つでここまで来ました。でも、上に立つ人は決まってます。すべてあきらめたのに身動きが取れない」と言うドフン。
「あきらめないで」とセヨン。
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レストランで普段通りの様子で仕事をしているユジョンを見ているミニョク。
でも、ミニョクが店を出たあとで、ユジョンはヘリに仕事を代わってもらう。
店を出たものの、いつもと変わらないユジョンが逆に心配でレストランに戻るミニョク。
ヘリと交代したことを知る。
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ユジョンは老人総合福祉館に父のブレスレットのことを調べに行く。
徘徊して行方不明になったときでも身元が分かるよう登録してあった父。
登録してくれたのはドフン。
一度はめたら自分では絶対に外せないようになっているブレスレットが、亡くなった父の手首についていなかったことにドフンへの不信感を高めているユジョン。
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ドフンに会いに行くユジョン。
ドフンはユジョンを冷たく振り払い、突き飛ばし、部下に会社から追い出させる。
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ユジョンを探しに家へ行くミニョク。
ジャヨンに行き先を尋ね、何があったのか聞くが、「隠れてるんだろ。なんであの子を苦しめるの?」と言われる。
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雨の中、運転するドフンの車の前に飛び出すユジョン。
しぶしぶ車に乗せるドフン。
ユジョンは、父のブレスレットの話をする。
「あの日あなたは父さんを見つけた」
「見つけた。車に乗せたけど、降りようとした。危ないから車を止めたら、飛び出していった」
「嘘つき」
「雨も降ってたし、人も多くて見失った」
「嘘つき」
「嘘なら?僕が君の父親を置き去りにしてたなら?」
おおお。核心に触れる発言!
「施設に入れようと言ったのに、君が聞かなかったせいだ。もうだくさんだった。だから、追いかけて捕まえなかった」
「止めて」と叫ぶ。
止めないドフンのハンドルを取るユジョン。
ようやく車を止めたドフン。
「正気か?危ないじゃないか」
「よくも私にあんなこと。よくも父さんに。もうたくさんだからサンを施設に?施設に入れて死なせたの?」
「何を言ってる。イカれてる」
車を降り、ドフンを引っ張って降ろすユジョン。
「イカれて当然でしょ。なぜ平然としてるの?土下座してサンと父さんに謝って」
「土下座したら謝ったら消えてくれるか?」
ユジョンがドフンにビンタ。
「もう振り返りたくない。振り返ると君がいる。君にはもううんざりだ。僕が君を幸せにできるはずなかった。君は後悔していないと言った。僕は後悔している。あの日、君が罪を被ると言った日、君を捨ててたらこうはならなかった」
再びビンタ。
「後悔するのはこれからよ。胸をかきむしりたくなるほど後悔させてあげる。よく見てなさい。あなたの一生に私とサンを、あなたをかわいがってた父さんを刻みつけてあげる。どこに行っても私がいる。うんざりするほどね。逃げても無駄よ」
黙って車に乗り込み去って行くドフン。
君が罪を被ると言った日、止めるべきだったと後悔しているのだと思ったら、君を捨ててたらと言いやがりましたね、ドフンのヤツ。
一瞬同情した自分が悔しいです。
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ミニョクが家に帰ると、家の前にずぶ濡れのユジョンがいる。
社長のそばにいたいと言うユジョン。
必ずすべきことがあるのだと。
「お望み通り幸せになりません。誰よりも不幸に生きていきます。お願いします」と言うユジョンに、
「狙いは何だ?アン・ドフンか?」と聞くミニョク。
ユジョンの目から涙が溢れてくる。
「代わりに死ねそうなほどかばってたくせに」
「亡くなった人のためにできることはこれだけだから。過去は取り戻せなくても償わせたいんです」
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さっきのユジョンの言葉を思い出しているドフン。
サンのこと父のこと。
「後悔しないよ。これ以上、振り返らない」とつぶやくドフン。
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「ドフンからすべてを奪ってやろうか?」とミニョク。
「社長は私からすべてを奪ってせいせいしましたか?簡単に奪ったら相手は奪われたものの大切さに気づきません」とユジョン。
「なぜ俺が必要なんだ?」
「社長は私を冷酷にさせるから。私も弱気にならず、許しを請われたとしても迷わずに済みます」
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ドフンにユジョンと何があったのかと聞くミニョク。
当然答えないドフン。
「事故が起きたとき、君も一緒にいた。秘密を共有している2人がなぜ仲違いをしたのか気になる」とミニョク。
グァンスが削除された映像の復元ができそうだとミニョクに報告する。
「取締役会で会おう。セヨンは君とユジョンの仲を?セヨンに手を出すなという警告を忘れるな」
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取締役会にユジョンを連れて入ってくるミニョク。
レストランの発展のため力を貸してくれるパートナーだと紹介する。
会議のあと、ユジョンに「ミニョクを利用して出世する気か?」と言うドフンに、
「弁護士さんもそうやって出世したの?」と答える。
セヨンがミニョクに「完全にどうかしてる。彼女の正体を知ってるくせに」と言うと、
「おまえも彼の正体を知ったら変わるはずだ」と答えるミニョク。
「ご希望ならあの2人を引き離します」とセヨンに言うドフン。
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ミニョクがある資料を見て驚く。
「Kグループ チョ会長危篤説」
自分だけ知らなかったことに激怒し、状況をチェ弁護士に確認する。
父はドイツで手術中らしい。
「会長の不在中はおまえがトップだ。Kホテルの株を買え。後継者として遜色ないと証明しろ」とチェ弁護士。
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愛してる女がいたと言ったが、それはユジョンのことだとセヨンに告白するドフン。
ミニョクも知っていたと知り、ショックを隠せないセヨン。
謝るドフンの言葉を遮り、席を立つセヨン。
「男はみんな同じよ。あなただけは違うと信じてた。言い訳しないで」と言い、部屋を出る。
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ジャヨンがユジョンに「人を恨みながら生きるのは人生の無駄遣いだよ」と言う。
「世の中には悪いことをしても罰を受けない人が多すぎる。納得できない」と言うユジョン。
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グァンスがミニョクに報告する。
ヘジンがサンの虐待を通報した女であること。
ジャヨンはユジョン父が失踪した日の監視カメラの映像を持っていったこと。
映像の入手とヘジンを探すことを指示するミニョク。
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ミニョクの家でセヨンとユジョンが鉢合わせ。
「2人の男の間で何を企んでいるの?」
「不愉快にさせてすみません。社長には借りがあるし、ドフンさんには貸しがあります」
「だから、ミニョクのそばにいるつもり?」
「はい」
2人を引き離すのは簡単だと言い、去って行くセヨン。
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レストラン事業を辞めるようドフンから言われるミニョク。
現金化が可能な子会社はレストランだけだから、セグァン社に売るようにとのこと。
「投資を決めるのは俺だ」と言うミニョクに、
「決定権は取締役会だ」と言うドフン。
事実、取締役たちの株の保有率はミニョクの株を上回っていた。
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セヨンがドフンに「もしかしてあの女にまだ未練でもあるの?」と聞く。
「いいえ」
「彼女を忘れたいと言っていたのは本心?ならいいわ。あの2人を引き離せるわね?」と、意味ありげに顔を寄せ、肩に手を置く。
「彼女のことを話して、私への礼儀を守ってくれてありがとう」と言うセヨン。
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取締役会に乱入するミニョク。
社長はこの会議に参加する資格がないと言うドフンに殴りかかろうとし、強制退去させられる。
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取締役会のことを聞くセヨン。
「おまえの株を現金に換えて俺に投資しろ」
「ほかの女を連れて歩いてるだけでも、あなたには結婚する資格がない。あなたの母親と違って胸にしまい込めないの」
母を侮辱したようなセヨンの言葉に思わず大声を出すミニョク。
「あなたたちはイカれてる。目を覚まさせてあげるわ。ユジョンをどこかに追い払って。そうすれば、投資するかも」
ミニョクは去り際、「二度と母のことを口にするな」と言う。
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セグァン社の後継者ジェハを訪ねると、そこにドフンがいた。
ドフンはジェハを友達だと言う。
ジェハはミニョクに「不良品も連れてこい。おまえの店を助けてやるかもしれんぞ」と言う。
屈辱に耐えながら、黙って店を出るミニョク。
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夜、1人レストランでソースを試作しているユジョン。
ドフンがそれを見ているが、ミニョクが来たことに気づき隠れる。
おいしいソースができたと報告するユジョン。
味見を勧める。
ミニョクは「そうやって笑っていなくなるのか?望みが叶ったらおまえも消えるんだろ」と言う。
「言う通りにします。消えろと言われるまでそばにいます」と答えるユジョン。
そんな彼女にキスをしようとするミニョク。
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唇が重なる寸前で終わりました。
重ねたのか重ねなかったのか。
気になるところですね。
それをドフンは見ているのか。
見ていたとして彼はどう感じるのか。
嫉妬する?しない?
ま、嫉妬する資格なんてさらさらないですが。
とにかく一刻も早くドフンの悪事が露呈することを祈ります。
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