キャスト
カン・ミノ(ゴールドパートナーズ アジア総括本部長):チョン・ギョンホ
キム・スンジョン(ヘルミア カン会長秘書):キム・ソヨン
イ・ジュニ(ヘルミア 法務チーム長):ユン・ヒョンミン
マ・ドンウク(スンジョンの彼・刑事):チン・グ
第10話
ミノは自身の持ち株や債券、不動産などを担保に新製品への投資金を集めていた。
スンジョンら秘書たちも全力でサポートしている。
そんな中、ジュニがヘルミアを辞めることになり、スンジョンを呼び出す。
「時が経ちさえすれば、また友達として会える」と言うスンジョンに、
「冷たくされても君を憎めない。友達は終わりだ」と答えるジュニ。
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ジュニはミノに、自分たちは24年間も一緒に過ごしてきたのだから、簡単には引き裂けないと牽制しながら会社を去って行く。
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同行からお茶出しまで何もかもをスンジョンに担当させようとするミノ。
ミノはこんなにも会いたいのに、スンジョンは仕事の話しかしないと不満をウシクにぶつける。
ウシクは「愛よりも手強いのは思い出。共に過ごした歳月には勝てない」と言う。
さらに「代表にマ刑事の面影を感じてるのかも」と言い、彼を上回る魅力を見せるためのテクニックとして「袖まくりの術」なるものを教える。
それは仕事中に背後から袖をまくってやるというもの。
日本の映画『ストロボ・エッジ』のワンシーンでおなじみ「袖クル」です(笑)
ウシクと練習するミノ。
これはどきっとすると2人で大盛り上がり。
そんな2人を偶然見てしまった秘書のユミがひどく驚く。
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ジュニはハン本部長に「もっと投資が必要になるよう仕向けてください」と言う。
「すでに手を打ってある」と答えるハン本部長。
ジュニは「開発が成功でも失敗でも彼は終わり」とほくそ笑む。
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早速「袖クル」を実践しようとするミノ。
デスクで仕事をしているスンジョンの背後からそっと手を回すが、袖に手をかける前にスンジョンが振り向いてしまう。
至近距離で「何でしょう?」と言われ、「書類を見ようと思って」とごまかすミノ。
が、それは社員食堂の献立表だった。
失敗したとウシクに文句を言うミノ。
ウシクは廊下で「袖クル」を実践してみせる。
その様子をまたしても見てしまったユミ。
見てはいけないものを見てしまったという顔になる。
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ミノの依頼でパク検事がドンウクの件を調べていると知ったナ刑事。
早速会社に乗り込んでいく。
偶然通りかかったミノの携帯電話の着信音に反応するナ刑事。
ドンウクの電話かと思い、ミノから携帯電話をひったくる。
ミノは夢に出てくるシーンを思い出し、ナ刑事がこの着信音に反応したことを指摘。
マ刑事の携帯電話は誰かが持ち去ったんだなと詰め寄る。
どうしてそのことを知ってるのかと逆に不審がられ、殴られるミノ。
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改めてなぜ事件のことを知っているのか、なぜ嗅ぎ回っているのかミノに尋ねるナ刑事。
そこでミノは、マ刑事が原料問題の黒幕を追っていて亡くなったのだと知る。
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嫌っていたはずのミノをかばうような発言をするスンジョンに驚くナ刑事。
「まさか好きなの?先輩が死んでまだ間もないのに、もう忘れかけてるみたい」と言うナ刑事に、全否定するスンジョン。
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ジュニがソウルに父の新居を用意する。
ミノが父と一緒にいるジュニに話があると声をかける。
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「君が原料問題の黒幕だろう。ヨンベに何をさせた?」と詰め寄るミノ。
「意識が戻ったら直接聞けばいい」と答えるジュニ。
「親友を殺した男をスンジョンはどう思うかな?」
「妄想はそれくらいにしろ」
「俺も妄想であってほしいよ。でなきゃ、彼女が気の毒だ」
そんな2人の会話を物陰から聞いているジュニ父。
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ソン代理と付き合っているユミに、「上司として尊敬するのと、男性として惹かれるのと区別がつくの?」と尋ねるスンジョン。
ユミは「その人に頼りたいか否か」だと言う。
「上司には頼れない。尽くすことはできても、涙は見せられない」
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階段の上でスンジョンを待っていたミノ。
彼女が自分にドンウクの面影を見ているのかどうかを知ろうと試みるが、どうもそれはない様子。
スンジョンはドンウクのことを「いつも見守ってくれた。嬉しいときより辛いとき、悲しいときにそばにいてくれた」と言う。
ウシクが言っていた「愛よりも手強いのは思い出。共に過ごした歳月には勝てない」という言葉を思い出すミノ。
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ヨンベの病室を訪れるジュニ父。
ヨンベが恐怖の表情を浮かべる。
「絶対に口を割るんじゃないぞ。胸にしまっておけ。家族のことを考えるんだ」と言い聞かせる。
が、帰ろうとしたジュニ父に、ヨンベは「ジュニ」と何度も繰り返した。
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ヨンベのことについて情報を探るため男を雇うジュニ。
そこへ父から「話しておきたいことがある」と電話が入る。
「早めに帰る」と答えるジュニに、父は「ご飯はちゃんと食べるんだぞ」と言い、電話を切った。
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ドンウクの携帯電話の電源が入ったと通信会社から連絡がある。
早速、発信元の家に向かうナ刑事たち。
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帰宅したジュニ。
テーブルには料理が並べられている。
置かれていた父からの手紙には「すべてを背負って逝こうと思う」と書いてあった。
あの日、父はジュニの犯した罪を全部見ていたのだ。
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そう、あの日ドンウクをひいたのはジュニだった。
ドンウクに原料のことで問い詰められたジュニ。
ジュニの頭の中をいろんな思いが駆け巡る。
警備員の息子として蔑まれた幼少時代。
ヘルミア奨学生としてヘルミアに入社し、会長の忠犬として仕えたが、実はいずれお払い箱になる運命だと知ったこと。
ハン本部長からささやかれた「王になってみては?」という言葉……。
ジュニはドンウクを殺すという決断を自らに下し、アクセルを踏み続けた。
車を降り、血まみれのドンウクに近づくジュニ。
ドンウクがジュニの腕をつかむ。
魚の絵がついた腕時計。
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そこへヨンベの乗った車が通りかかる。
ドンウクを助けようとするヨンベに「代わりに俺たちが死にますか?」と言うジュニ。
ドンウクが原料問題の件を知っていることを告げ、目を覚ませば、あなたの家族が困ると脅迫する。
賭博の借金、妻の病気、娘の学費。
すべての面倒を見ると言われ、ヨンベは泣きながらジュニの言いなりになってしまった。
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ジュニ父はその光景を見ながら、声を押し殺して泣いていた。
何事もなかったのように立ち去る2台の車。
そのときドンウクの携帯電話が鳴る。
必死で手を伸ばすドンウク。
その電話を持ち去るジュニ父。
ドンウクはか細い声で「おじさん助けてくれ」と懇願する。
が、ジュニ父は「許してくれ」と泣きながら、ドンウクを見殺しにした。
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携帯電話の電波の発信元は、ジュニの実家だった。
駆けつけたナ刑事たちが見たものは、正装し、ジュニの写真を抱きしめながら亡くなっているジュニ父の姿だった。
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父の遺体にすがって泣き崩れるジュニ。
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ドンウクの携帯電話を所長に手渡すナ刑事。
遺書によると、トラックでジュニの財布を届ける途中、ひいてしまったとのこと。
捜査はこれで終わりだと告げる。
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ジュニ父が犯人?
トラックでひいた?
どうしても腑に落ちないミノ。
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納得し切れないのはナ刑事も同じだった。
ミノはナ刑事を呼び出し「俺の中には別の人間がいる」と言い、ジュニ父が犯人ではないと訴える。
変人扱いされるミノ。
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葬儀会場にスンジョンが現れる。
ジュニは憔悴し切っている。
スンジョンはこの24年間で助けてもらった数々の出来事を思い返しながらも、心を鬼にして、別れを告げに来たと言う。
「友達でいられるほど私は強くない。今までありがとう」
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会社を休みもせず、辛い顔一つ見せずに仕事をするスンジョンに胸を痛めるミノ。
新製品の報告会が始まる。
ウシクがプロジェクターを使って説明していたのだが、突然ナ刑事からスンジョン宛てにメールが届き、スクリーンにそれが表示されてしまう。
ミノのことを異常者だと言うナ刑事。
「あいつに何か言われてない?」
慌ててパソコンを奪おうとするスンジョンを制し、ミノが自ら返信メールを打ち始める。
「超イケメンのカン代表がこんなことを言ってた。辛いなら泣いていい。君は1人じゃない」
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いつもの階段でスンジョンにキャップをかぶせ、「2時間思い切り泣け」と言うミノ。
10年間父の看病をしていたスンジョンに「きっと君は子どもから突然大人になったんだ」と言う。
「俺の心がまだ9歳のままだとしたら、君は弱いくせに強がってるおませさんだ」
「違います」
「君を見てると腹が立つ。腹が立つほどかわいそうだ」
一瞬心が揺れるスンジョン。
が、ナ刑事に言われた「先輩が死んでまだ間もないのに」という言葉を思い出し、帰ろうと立ち上がる。
そんなスンジョンを抱きしめるミノ。
「辛い時はそう言え。泣きたいときは泣け。でなきゃ心が壊れるぞ」
「大したことありません」
「君を見てる俺が辛いってことにする。だから、慰めてほしい」
涙が溢れてくるスンジョン。
「よく頑張った」という優しいミノの言葉に、こらえきれず声を上げて泣き出す。
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臨床試験の結果が出てから、残りの投資額を入金すると電話が入る。
それでは業者への契約金が払えない。
聞けば、食品医薬品安全庁が難癖をつけているらしい。
「何か変だ」と言うミノ。
すぐに、投資家に会う約束と取り付けるが、2時間待たされた挙げ句にやってきたのはジュニだった。
「このたびチュノ社を買収したゴールド社のイ・ジュニです」
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以前ミノがやったのと全く同じ手口ですね。
立場が逆になったミノは、事態がかなり深刻だと理解したことでしょう。
父を亡くし、スンジョンが去り、失うものがなくなったジュニは、かつてのミノと同じように非情な行動を畳みかけてくるんだろうな。
ミノ、負けないで!
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